主観年齢が若いと見かけも若くなる。(1)
面倒くさいは老化現象の始まり


面倒くさいは老化現象の始まり

 歳のせいだとは思いたくないが、この頃いろんなことが面倒くさくなってきて困っている。
 老化現象? まさか認知症の始まり? とつい疑ってしまう。疑う根拠(?)はある。とにかく固有名詞が出て来ない。いや、その程度は誰でもある、と慰められるが、まずドラマに出演している主役級の俳優の名前が出て来ない。
 ある時など三浦友和の名前が出て来ず「紳士服のCMに出ている、ほら、あれだよ」「住宅建設会社のCMにも出ている・・・」と言うと「Tホームの」と言われ「そうじゃなくて、歌手の旦那。結婚して引退してから一切表に出ていない歌手がいるだろう。宇崎竜童が曲を作った・・・」などとまどろっこしい言い方になる。

 とにかく面倒くさいことはしたくなくなったし、取扱説明書の類もちょっと長いと読む気がしなくなり「これ、どうするんだよ」などと尋ねることがしばしば。ところがこの程PCとスマホを買い替えたものだから困った。
 6、7年前までは古いPCの内容を新しいPCに移すことぐらいなんでもなかった。メールソフトやスマホのアドレス帳などはgoogleやOneDriveに連動しているから一昔前のようにアカウントその他の細々した設定を手入力する必要はなく、メールアドレスを入力すればgmailやOutlookは新しいPCやスマホにそのまま移してくれるから楽になった。

 といってもそれですべてが以前の環境と同じになるわけではなく、メーンで使っている秀丸メールやThunderbirdといったメールソフトはそれなりの設定をして移さなければならないし、その他にも使い慣れたソフトやアプリをネットからダウンロードし新しいデバイスにインスツールしなければならないが、その時求められるのがパスワード(PW)の入力である。

 最近はあらゆるものがネットに接続され、便利になった反面、常にPWの入力を求められる。FirefoxやMicrosoft Edgeその他のブラウザは自動保存機能もあるから普段はいちいちPWの入力を意識しなくて済むことが多いが、PCやスマホを新しく替えるとPWの入力を求められることもあるが、うっかり忘れてしまっていたりする。それも頻繁に使っているソフトで。
 毎日のように使っているソフトのPWを忘れるとはどういうことだと思うが、PWの入力は最初の段階でしか行わないし、あまりにも日常使いなのでPWを忘れて困ったことが過去あった。特にメールソフトのサーバー設定で。
 ところが最近はThunderbirdでも自動化が進み、以前のようにPCを替える度に手作業でサーバーの設定をする必要がなくなったからますますPWを忘れる。

 そんな時のためにPWマネージャーというPW保存ソフトがあるし、セキュリティソフト(ウィルス防止ソフト)の中にもMcAfeeなどのようにPWマネージャーを備えたものもある。
 私も昔から使っているPWマネージャーがあり、そこに数10件にもなるIDとPWを保存しているので、早速PW保存ソフトをダウンロードし新しいPCに移し、データファイルも所定の場所へ移動した。
 これで保存した全IDとPWが表示されるはずだった。ところが何も表示されず焦った。原因は直前に古いPCに入っているPW保存ソフトのマスターキーを変更したためではないかと考え、インスツールしたソフトを削除して再度入れ直したりと試行錯誤。

 結果、なんとか従来の環境を復元できたが、他にも私にとっては必須のエディターなど諸々のソフトの設定があった。秀丸エディターは使い勝手がいいようにカスタマイズしているしマクロも使っているから、その設定も移さなければならない。
 考えるだけでウンザリしてくるし、面倒くさいな〜、とついボヤキが口を突いて出る。高齢者が設定を他人に頼みたくなる気がよく分かる。できることならだれかに頼んでやってもらい、と思っても自分でやるほかないので錆び付いた頭と萎えた気持ちを奮い立たせ、時間をかけてなんとか新しいPCを以前とほぼ同じ環境にすることができた。

 あ〜面倒くさい、嫌だな〜と愚痴りながらでも錆び付いた頭に潤滑油を垂らし、少しずつ働かせていくと、以前の感覚が戻ってきた。これならまだ走れるぞ。自信を取り戻し、ついでに今までできなかった別のことにもチャレンジしてみた。
                            (2)に続く


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