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高級・高額ホテルの逆を行くホテルチェーンがニッポンを救う(4)
〜コンテナを客室にした「ホテルR9」(2)


 えっ、これか! それが最初の印象だった。
 その前は今まで何度も通っていたし、黒いコンテナがいくつか並んでいるのも目に入っていたが、そこは工場の資材置き場か貨物トラックの拠点ぐらいにしか思ってなかったから、まさかそこにコンテナホテルがオープンしていたなんて思いもしなかった。



 車で敷地内に入って驚いた。整然と並べられたコンテナの数が42台。ホームページにはフロントもあると表示されていたので探すと入り口に他とは少しだけ造りが違うコンテナがあった。
 ガラス張りのドアから中を覗くと受付らしき女性が見えたので声を掛けた。

「ここがホテルなんですか。数日前、津山院庄のIC近くで見かけ、勝央にもあると知って来てみたんですが、いつからここにありました」
「オープンしたのは昨年11月です。岡山県では勝央が最初なんですよ」
「えっ、津山の方が後? 倉敷にもあると載っていましたが」
「倉敷は今月の25日にオープンします」

 私の頭の中ではホテルは人が多い都会から順にオープンするというイメージがあったから勝央、津山、倉敷という順にまず驚いた。
「なぜ勝央にホテルを?」
「美作市にはホテルがありませんから」
「それはそうですけど、普通、こんな田舎にホテルをつくらないでしょ」

 過疎の田舎町に宿泊施設をオープンするという考えが分からなかった。しかも42室も備えたホテルを。それに勝央町は湯郷温泉のすぐ近くでもある。ホテルをオープンするなら湯郷温泉の赤字ホテルを買い取ってリフォームした方がよほど客も入るだろうし、効率がよくはないかと思った。
「うちはインターチェンジや駅から近く、工業団地が近くにある所にオープンしています。勝央も工業団地が近くにありますし、出張で来られるお客さまも結構いらっしゃっるし、連泊される方も多いんですよ」

 それを聞いて納得した。他のビジネスホテルなどと違い、仕事で工業団地の企業を訪問するビジネス客を主要ターゲットにしているわけだ。
 そういう意味では、ここの場所はベストポジションかもしれない。近くに工業団地があり、車で数分も走れば湯郷温泉があり、入浴料600円で温泉に入れる。またスーパー、コンビニも近くにあるから贅沢な食事を望みさえしなければ食べるものに困ることはない。
 そういえば倉敷も津山のホテルも観光地、中心街に近いという立地ではなく、むしろ離れた地方に位置している。ただ駅やバス停の近くという点は重視しているようだ。
                          (5)に続く

#リーズナブルで納得のホテル #コンテナホテル


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