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源泉かけ流しの温泉はなくなる
最近、温泉旅館やホテルで温泉に入っていて、ある変化に気付くようになった。九州の温泉地ではごく当たり前のように思っていた「源泉かけ流し」が減っているのではないだろうか。
「源泉かけ流し」を謳わなくなったか、謳っているところでも、よく観察していると以前は湯船からお湯が溢れ出していたのが、無駄に溢れなくなっている。さらに観察してみると、温泉水が循環しているのではないかと思えるところが少し増えてきているようにも感じる。
これは入浴客が少ない時にお湯の流れをじっと観察していると湯量が一定で湯船から溢れないのが分かる。
これは悪いことではない。温泉も限りある資源だから無駄遣いすれば地下水が減少し、最悪、源泉枯渇ということにもなるし、事実、そうなった温泉地もある。 すでに10〜20年程前から温泉地の源泉が枯渇し始めているというのは全国の温泉地で言われだしていた。
例えば大分・別府温泉。
20年余り前、別府の友達を訪ねた時、各家には皆温泉が引かれていると自慢げに教えられたが、豊富な湯量を誇る別府温泉で源泉湯の減少が問題になり取水量制限の話が持ち上がった。
原因は温泉水の使い過ぎだが、長年、源泉かけ流しでやってきていたのに、ここに来てなぜ急にという疑問が湧くが、需給バランスの崩れが原因、お湯の使い過ぎである。
では、なぜ温泉水の使い過ぎがおきたのか。
ここでちょっと温泉から離れ、視点を別に移してみよう。
日本の国力低下に反比例するように海外からの旅行客、いわゆるインバウンド需要が高まりをみせ、それを当て込んで全国各地で宿泊施設の開設が相次ぎ、その傾向は今も続いている。
それには1棟貸しなど富裕層目当ての施設もあるが、問題は大型ホテルの開設だ。温泉地での大型ホテル開設の場合、自ホテルで使用する目的で温泉掘削を行っているところもある。
当然、地下水は減少し、源泉の水位が低下している温泉地は別府に限らず、佐賀・嬉野や北海道・ニセコ、群馬・草津、青森・嶽温泉なども同じ現象に悩まされている。
こうした現象は日本だけでなくニュージランドやアメリカ、トルコでも見られるから地下水の低下は地球規模で起きているということだ。
その結果、地域の許容量を超えて温泉水が使用されることになった。
地下水は無尽蔵に存在するわけではないし、使用量が増えたからといって地下の滞水量を増やせるわけではない。
水路がコンクリートで舗装されていない時代なら地下に染み込む量も多少はあっただろうが、道路でさえ舗装されている現代は街に降った雨水でさえ地下に染み込むことはない。
このように現代では地下水の増加は望めず、むしろ減少する傾向にある。
そこに使用量が増えれば源泉の水位低下、温泉の温度低下、水量減少、その先には源泉の枯渇が待っている。
温泉水の減少は何も最近始まった現象ではなく、以前から少しずつ現れていた。その対策として温泉水の加温、水を加える加水などが行われているが、ついには入浴剤を加えていたところも出てき、以前、問題になった宿泊施設まであった。
いまや源泉水位の低下、近い将来の枯渇は隠せなくなるとともに、やっと温泉水も「限りある資源」だと気付いたわけだ。
抜本的な解決策がない状態での対策といえば、新規の温泉掘削の禁止と「限りある資源」の無駄遣い=源泉かけ流しの湯をやめる以外にない。
近い将来「源泉かけ流し」を謳う温泉地はなくなり、すべての施設が循環湯に切り替えざるを得ないだろう。
その前段として温泉地の宿泊施設は入浴時間の短縮を導入していくだろう。
(3)に続く
#温泉の源泉水位低下
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