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集落に移動販売車がやって来た。(3)〜チラシ商品もスーパーの店頭と同じ価格


チラシ掲載商品も同じ価格で買える

 マルナカの移動店舗でしばらく様子を見ていると30-40代の女性が何人も寄って来て「卵はある?」と言いながら備え付けのカゴに商品を次々に入れていく。
 恐らく移動販売車が止まっている側の社会福祉協議会に勤務する女性たちだろうと思うが、帰宅途中に回り道をしてスーパーに寄らなくてもスーパーの移動販売で買って帰れば時間も省ける。

 マックスバリューの移動販売もそうだがマルナカの移動販売もイオンカードで支払いができるし、20日、30日の5%OFFの日は移動販売も5%OFFで買うことができる。また店舗のチラシ掲載商品はチラシと同じ値段で買える。文字通り店舗がそのまま移動してくる感じで、これなら少し離れたスーパー・マルナカまで行かなくても済む。

 店頭購入と違うのは「出張手数料として1品11円プラス」になる点のみ。1品11円上乗せ価格は「とくし丸」と同じだが、当初マルナカの移動販売は「11円プラス」は導入していなかったと移動販売員が教えてくれた。フジとマックスバリュー西日本の経営統合以後に導入したようで、導入理由は別の理由を言っていたが、店舗と同値段でスタートしたものの、このところのガソリン価格の値上がりもあり、競合と横並びにせざるを得なかったのだろう。

 実家に帰省して2週間ほどになるが、その間に移動販売のお知らせチラシが入っていた風はないのでチラシ配布はしていないのかと尋ねると、持って来ていたチラシを数枚渡してくれた。
 そのチラシを持ち、近所の一人住まいの高齢女性の家に行き、チラシを見せて「マルナカの移動販売が来ていますが、買い物はいいですか」と伝えると「行く、行く」と言うので急ぎ引き返し店じまいをして次の場所に移動しようとしていた車を止めて、「買いに来たいという人がいるからちょっとだけ待って欲しい」と引き留めた。



 ただ、内部に乗り込んで食材を選ぶ形式は効率が少し悪いように思えた。車中に乗り込めるのは1人か2人で、内部で擦れ違いできないこともないが、狭いので自由に動けないのが難点だ。
 その点、軽4改造型は車の周囲から食材を選び、手に取ることができるため一度に5、6人は集まって買うことができるのが利点だ。

 コープこうべの移動販売車には軽4型もあるのかもしれない。たまたま遭遇したのが2トンロング車だっただけかも分からないし、マックスバリュの移動販売車でもそうだったように、巡る地区によって車のタイプを変えているのだろうと思う。
「店と距離が離れているから途中で商品の補充に帰ることがでけしまへんのや。そやからこのサイズやないと」
 ドライバー兼販売員からそう説明され、神戸からの移動距離を感じるとともに、地方は公民館や廃校跡など駐車スペースに困ることはないから小型車である必要はないかとも感じた。

 効率の問題を尋ねた時、返ってきたのは「燃費が悪いのが問題。この車、リッター4kmやから」という言葉。
「私らもボランティアでやってるわけやないので、せめてトントンにはならんと」と移動販売の使命を感じつつも、企業として利益を出せるかどうかの問題がある、というのはマックスバリューで聞いたこととも共通していた。

 コープこうべの移動販売が同業他社と違うのは販売価格で「うちは店頭販売と同じ価格です」と自慢げだった。
 とくし丸にしろマックスバリューにしろ移動販売で扱う商品は店頭価格に1品10円上乗せ価格になっているが、コープこうべの移動販売はそれがないのだ。この点はグリーンコープの移動販売も同じようだ。

 給油中の短い時間だったが好奇心から話しかけ、質問した結果、いろんなことが分かった。だから質問癖は治りそうにない。
                                           (4)に続く

#移動販売


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