病院選びのもう1つの視点、こんなにも差がある入院費(2)
病院により違う病室、入院費


病院により違う病室、入院費

 さて、手術によっては今後の人生が大きく左右されることがあると知れば病院、執刀医選びにもう少し慎重になるだろうが、他にも病院を選ぶ際に考慮した方がいいことがあるのをご存じだろうか。

 入院費と病室である。この2つ、どこの病院でも違いはない、あるいは大差がないと思われそうだが、病院によって随分差がある。
 病室にはいくつかのタイプがあるのはご存じだと思うが、差額ベッド代なしで入れる病室は1室にベッドが4つなど複数ある相部屋で、その病室が数も多いというのが一般的。
 ところが九州中央病院(福岡市南区)は全室完全個室になっていて4人部屋は存在しないのだ。
 ただ20年前に同病院で手術入院した時は4人部屋に入っていたから、全室個室になったのは、それ以後だが、最近は病院も変わったんだとのん気に考えていたが、どこの病院でもそうではないと知ったのは入院中に大阪の従弟からかかって来た電話でだった。

 彼は私より1年半前に同病で入院手術をした「先輩」で、入院中のことを何かとアドバイスしてくれていたが、病院生活の話になると噛み合わないことがあった。
「えっ、1フロア同じ病気の人? ここは違うみたいだ」
「談話室はあるにはあるが、そこに人が集まって話をしているのは見たことがない。部屋にTVはあるし、個室だから皆、部屋で過ごしているみたいだ」
「えっ、個室に入っているんか?」
「うん、ここは皆個室になっているから」
「個室だったら15,000円はするやろ」
「何タイプかあるみたいだけど俺が入っている部屋は3,300円」
「トイレや洗面は?」
「それも皆部屋に付いている。部屋も結構広いしね」

 偏見と言われればそれまでだが、福岡の病院で全室個室に変わっているんだから大阪の病院はそうに違いないと思っていたが逆だったのには驚いた。

 この会話がきっかけで改めて「入院のごあんない」というパンフレットをめくり確認した。
 入院前に無料部屋と有料部屋(差額ベッド代)があり、両者の違いはTVが有料か無料か、便座が温水洗浄機能付きかどうかだとの説明は受けていたが、病室には5タイプあり、TVが中型か大型か、シャワー、応接セット付きか、シャワー、応接セットの他に大型TVが2台付いているかでランクが分かれ、順に3,300円、3,850円、6,050円、11,000円、16,500円の料金設定になっていた。

 当初は差額ベッド代なしの部屋を考えたが腹部の手術だから術後しばらくは屈む、腹に負担をかける姿勢を取るのはしんどいかもと考え洗浄便座付きの部屋にしたが、これが正解だった。
 というのも術後、軟便状態が続き、1、2度便漏れもあったりし、ウォシュレット(便座はTOTO製だった)付きでなかったら尻が腫れていたかもしれなかった。
 余談だが医師は前立腺癌手術と軟便は関係ないと言っていたが、術後、軟便が続き尿道カテーテルを抜いてから軟便が止まったのだから無関係とは思えなかった。
                                     (3)に続く


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