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栗野的視点(No.891) 2026年6月27日
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水が人類を、地球を滅ぼす。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「水が人類を滅ぼす」と聞けば人は何を想像するだろうか。
2011年3月11日に東北地方を襲った地震と津波を想像する人は多いかもしれない。また、ある人は「ノアの箱舟」を想像するかもしれない。
「ノアの箱舟」は旧約聖書の「創世記」に出てくる大洪水の物語だということはキリスト教徒でなくてもご存じだろう。
ただこの大洪水にまつわる話が語られているのは旧約聖書だけではない。ユダヤ教でもイスラム教でもノアの箱舟と近似した物語がある。
それを神話、寓話だと退けることは容易いだろうが、地球の歴史の中で、全地球規模で起きたか、もう少し限定的な規模で起きたかは別にして、人類(ホモサピエンス)誕生前後に大規模な洪水が起き、地球上の生物に多大な影響、恐らく生存が問われるような洪水が起きて旧世代人類は滅んだ(旧約聖書によれば「絶滅された」)かもしれない。
これらは様々な民族、種族の間で神話・伝説・寓話の形で語り継がれているが、近年、世界各地で起きている大水害を考えれば単なる「物語」として一笑に付すことなどはできそうにない。
「おいしい水」が飲めなくなる
地球上を襲った大洪水の話についてこれ以上述べるのはやめ、次には科学的な視点から水が現代人に与えている影響について見ていこう。
まず直近で問題になったのがPFAS(有機フッ素化合物)汚染。これは日本全国かなり広範囲な地域で汚染が確認されている。やっかいなのは自然界に存在しない人工化学物質であり、自然界で分解されることはなく、半永久的に残り続けるということだ。
有機フッ素化合物はとても便利な物質であるが故に、我々の身近な製品・商品に多用されている。
だが、体内に取り込まれると発がんリスクがあり、免疫機能の低下、コレステロール値の上昇、肝臓・甲状腺ホルモン異常を引き起こすだけでなく、完全無害化する方法は現段階では見つかってないし、有効な解決策も取られてない。
せいぜいできるのは活性炭浄水器を通して吸着させるぐらいしかないが、今度はPFASを吸着した使用済み活性炭の処分が問題になる。
実際、使用済みの汚染活性炭を野ざらしにしていて、そこからPFASが漏れ出し2次汚染を引き起こし問題になった地域もある。
怖いのは山からの湧水で、「美味しい」とメディアなどでもよく取り上げているが、そこには安全性という観点は入っていない。
たしかにミネラル成分が入っているから水道水と比べれば「美味しい」という感覚は間違いではない。
だが、PFASは無味無臭であり口に含んでもその水がPFASで汚染されているかどうかは分からない。
味覚で異常を感じるものに対しては注意したり拒絶したりするが無味無臭のものに対して警戒心は抱けないし、違いが分からないから警戒心そのものを抱きようがない。
かくして水俣ではなんの疑問を抱くこともなく有機水銀で汚染された魚介類をそれまでと同じように口にしていたはずである。
悲しいかな、人は異常を感知して(異常が現れて)初めて疑問を感じる。
PFASも有機水銀汚染と同じで10年20年たって身体に異常が認められ始めた人々が疑問の声を上げだして初めて調査が行われPFAS汚染が認められるに違いない。
言い換えれば、そこまで被害が拡大しなければ企業も国も動かないということであり水俣病と同じ過程を辿るに違いない。
特に怖いのはPFASによる地下水汚染である。例えば熊本市は地下水を上水道に利用している。阿蘇山の豊富な伏流水が地下水となり熊本市に流れてきているから川から取水する必要がなく、市民はおいしい水を飲めるというのがうたい文句になっていた。
今その水が2つのリスクを抱えている。
1つは既述したPFAS汚染リスクである。山の湧水が安全と言えなくなっているのは、その水がどのような経路をたどって流れているかが分からないからだ。
川の水なら源流や途中の水路は分かるが地下に浸み込んで流れている水は調べようがない。
2つ目は不法投棄の家電製品から溶け出す重金属類や化学物質。
幹線道路から少し外れて山の方に入れば、道路脇に家電製品他のゴミが捨てられているのを目にすることは多いだろう。
不法投棄しているのは個人か業者か不明だが、それほど山奥ではなく道路脇に冷蔵庫ほかの家電製品が無造作に投棄されている。
野ざらしになった家電製品からは様々な物質が溶け出していく。そしてその物質を含んだ雨水が地下に浸み込み地下水となって流れていったり、小さな小川から中川に、さらに2級河川、1級河川へと合流しながら下流に流れていく。
ほとんどの浄水場は川から取水しているが、重金属やPFASの検査をし除去する装置を設置している所は少ないだろう。
(2)に続く
#PFAS汚染
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