不正列島ニッポン(3)〜横行するデータ改ざんに手抜き工事(2)」
〜三菱、スズキ、日野の燃費不正


三菱、スズキ、日野の燃費不正

 目が当てられないのが自動車業界の不正である。今まで明らかになっただけでも2016年に三菱自動車が、翌17年にSUBARUと日産自動車、18年にはスズキ、マツダ、ヤマハで、22年日野自動車、そして23年にダイハツ工業の不正と続く。
 因みにここに記したのは不正が発覚した年であり、不正が行われた年ではないことを念の為記しておく。
 一応、三菱自動車、スズキ、日野自動車は燃費不正となっている。要は燃費を実際よりはよく見せるように数値を改竄して発表していたわけだ。
 これだけを文字通りに受け取れば、カタログ数値より実燃費が落ちるのはままあることだし、誰もカタログ数値を鵜呑みになどしていないと思われるかもしれない。
 仮にそうだとすればカタログは信用できないわけで、では車を買う時、何を信じればいいのか、となる。

 そんなバカな話はないし、あってはいけないことだが、自動車メーカーにそういう認識があった(ユーザーを嘗めていた)ことも否定できない。
 実際、三菱自動車の不正が発覚した直後の16年に「三菱グループの天皇」と呼ばれた、三菱重工相談役・相川賢太郎氏は「週刊新潮」の取材で「あれはコマーシャルだから」「買う方もね、あんなもの(公表燃費)を頼りに買ってるんじゃないわけ」と嘯いている。その時、三菱自動車の社長だったのは賢太郎氏の長男、相川哲郎氏である。氏は不正問題の責任を取り2016年に辞任した。

 最近はそれほどでもないが、一時期燃費のよさを謳う燃費競争が行われたのは事実だし、少しでも燃費のいい車を買い、ガソリン代を安く抑えたいと考えるユーザーは多いだろう。軽自動車や小型車を買うユーザーだけでなく、環境問題から少しでも燃費のいい車を買おうと考える人もいるわけで、相川「天皇」のような人の方が少数ではないか。
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