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博士号所持の大学教員も非正規雇用
成績がよければ大学に行けるだろうと思われるかもしれないが、それは昭和の時代までで、いまや国立大学でさえ授業料の値上げをしており、教育の機会均等などはどこにも存在しない。
2003年の国立大学法人法により国立大学は独立行政法人の1つの独立大学法人になっている。
独立法人化して何が変わったのか。平たく言えば大学の運営費は自分達で稼げと言われたわけだ。そうなると東京大学のように稼げる大学とそうでない大学の間に大学間格差が生じる(生じている)。
これは大学入試の時などによく言われる大学ランクの話ではない。教職員の給料、必要な設備購入費、実験等にかかる費用などもそれぞれの大学ごとに賄わなければならない。
その結果、何が起きているか。産学協力を進め産業界に役立つ(目先の)技術を提供したり、企業からの資金提供を受けやすい研究や技術開発をし稼ごうとする。
そのためには優秀な教員を雇用した方が有利だが、どこの大学も考えることは同じで、そうなると高い給与を提示できる大学程優秀な教員を採用できる。
では稼げない大学はどうなるかといえば人件費を含めた経費を削減せざるを得なくなる。
その結果、驚くことに博士号を持っている教員が正規雇用ではなく契約教員として非正規で働かされているという現状がある。
「末は博士か大臣か」と言われたのは昔のことで、いまでは博士号を持っている教員が非正規雇用のまま働いているという驚くべき現状がある。
中には何本も論文を発表しており、その分野では知られている教員が非正規で期限毎に再雇用契約を結び大学で働いているという驚愕的な事実があるにもかかわらず、同じ大学の他の正規雇用教員たちはそのことに無関心というから、これまた驚く。
日本社会は壊れている−−、というのは決して言い過ぎではない。
(4)に続く
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