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 時には自社を社外の目で見ることも(1)


 年明け以降、明るい話題はほとんど聞かない毎日だが、だからこそ原点に返って社内を見回してみてはどうだろう。
案外気が付くことがあるかもしれない。
 例えばいまのようにモノが溢れかえっている時代に人は「ニーズ」や「ウォンツ」ではもうモノを買わない。というか、「ニーズ」や「ウォンツ」そのものがもうないのだ。こうした傾向は若者ほど顕著である。団塊の世代以上の層にしても似たような状況で、ほとんどのものはすでに持っている。だから食品、日用品、健康関連商品以外のものは買っても買わなくてもいいモノなのだ。

 こうした状況は個人に限るわけではなく、企業でも似たようなものだろう。
産業が活性化している時には新しいモノを作るために新しいモノが必要になる、あるいは購入しようという気になるが、逆に市場が縮小しているときは買い控えが起きる。
 市場に新しいモノが投入されない限り、既存のマシンやツールで間に合うわけで、新型機械の方が効率がよかったり、操作性がいいんだろうが、現在の機械でもそこそこ間に合うとなれば、既存の機械を使いこなそうと考えるだろう。

 市場が拡大している時、企業のベクトルは顧客の新規開拓に向く。
逆に市場が縮小している時はベクトルが内側に向く。既存顧客へのサービス充実である。これをしないと既存顧客すら離れて行きかねない。

 ところで、年明け後全く違う2つの例を経験した。
1つはロイヤルホストである。
外食産業を取り巻く厳しい環境の中よく頑張っていると感心しているが、もしかすると従業員のこんな態度にもあるではと思うことがあった。
 ファミリーレストラン(ファミレス)に行くとお気付きだと思うが、どこもドリンク類(アルコールを除き)はフリードリンクになっている。その代わりセルフサービスだ。効率化の結果なのだが、ロイヤルホストは最近フリードリンクなのに「お持ちしましょうか」と言って、持ってきてくれるのだ。

 このサービスは私が利用する長尾店独自のものかも分からないが、同店でも以前は「お飲み物はフリードリンクになっていますので、あちらでお好きなものをお入れ下さい」と説明されるだけだった。
 本来、フリードリンク導入の背景は効率化だから、従業員がいちいち持ってくるのは効率化の動きに逆行することになる。
しかし、敢えてムダと思えるサービスを復活させたわけで、そこにサービス業本来の原点を見た気がする。
なにより、その一言でこちらの心がとても和むのを感じる。
もしかすると、こうしたことがロイヤル健闘の一因かもしれない。

 次は逆の例を2つ。
                                        (次回に続く)


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