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 時には自社を社外の目で見ることも(2)


 年が明け、システム系の2社に電話し、あることに気付いた。
企業のトップは案外、社内の実態を見ていないのではないか、と。
何をバカな、毎日報告も受けているし、時には社員と飲みニケーションだってしている、とお叱りを受けそうだが、それは「内部の目」で見ているのであり、組織を「外部の目」で見ていないのではないだろうか。

 例えば挨拶。といっても社内で交わす挨拶のことではない。
若い頃、ビジネスの一歩は挨拶、初対面の5秒で決まると教えられた。
とりわけ顔が見えない電話の挨拶は「明るく」「元気よく」と。
だから午前中の電話はかけるのも受けるのも「お早うございます」といまでも挨拶する。
年明けの電話は「明けましておめでとうございます」。
こう言われて悪い気がする人はまずいないだろう。
思わず相手も「明けましておめでとうございます」と返してくる。
互いに未知の相手であっても、この一言で空気が和み、相手の話を聞いてみようかという気になるから不思議だ。

 逆に、朝から間延びした声や、かったるい声を聞くと、1日こちらの調子まで悪くなりそうだ。
特に正月松の内はこんな電話や挨拶をされると、その年1年調子が狂いそうな気さえする。
 だが、最近はそういう挨拶は格好悪いと思われているのか、新年会の時に「皆さん、こんばんは」という挨拶を聞いた。
それはないだろう。今年初めて会うのだから「明けましておめでとうございます」だろうと思ったが、そう思うこちらが古いのか。
 ところが昨日は2人から「明けましておめでとうございます」と挨拶されたから、松の内といわず1月一杯ぐらいはまだ通用しそうだ。

 さて、先述のシステム系企業A社の常務取締役支社長に電話した。
電話口に出たのは男性だったが、声が小さくてよく聞き取れない。
「○○常務」と言ったので、先方が分からなかったのかと思い、再度「○○支社長」と言い直した。
 結局、週末まで出張ということが分かったのだが、途中で「声が小さくてよく聞こえないので、もう少し大きな声で言って欲しい」と注文しなければならなかった。
 時期が時期だけに、しかも松の内の午前中から電話の声が小さいと、かけたこちらが少々不安になる。
そんな誤解をされぬよう、電話は明るく、元気よく。
明るいところには福の神も寄ってくるが、暗いと貧乏神が張り付きかねない。

 同じ日、やはりシステム系のB社に電話し、社長を呼んでもらった。
最初、電話口に出た女性の声は明るくテキパキとしていて感じがよかった。
「しばらくお待ち下さい、確認いたします」

 しばらく待たされたので、社長が電話口に出ると思っていたら今度は別の女性が電話に出てきた。
「どちら様ですか」と最初の時と同じ質問をされた。
おいおい、いい加減にしろ。
すでに最初の時にこちらの名前を名乗り、「K社長をお願いします」と社長の名前まで言って呼んでもらっているのだ。
 電話を引き継ぐ時に「どこの誰」が、「社内の誰」に、「どんな用件」なのかをきちんと受け渡すのが最低限のルール。
でなければビジネスチャンスだって逃すことになる。
大体同じことを何度も聞くのは失礼だ。
ところが、このことが分かってない人が結構多い。

「報連相」が大事。
きっと社内ではそう教育しているはず。
「報連相」が大事といっても、報告、連絡がなされているかどうかは、本人以外には誰も分からない。
分かるのはクレームが入った時で、その時はもう遅い。

 某社のある社長がこんなことを言っていた。
「たまに外から自分の会社に電話をかけ、社員を呼んでもらうんです。すると社内の様子がよく分かります。もちろん電話をする時に社長だとは名乗りませんよ。知らん顔して電話するんです」
 携帯電話ではなく公衆電話などから電話をしてみればもっとよく分かるに違いない。
明るく応対しているか、用件の確認はテキパキと行われているか、先方を電話口で待たせていないかetc
 時には社内を「外部の目」で見てみることが必要ではないだろうか。


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