というわけで手術をすることが決まったのだが、なぜ手術日が11月と先なのかといえば手術支援ロボット「ダヴィンチ」がその頃まで予約一杯で空かないから空かないかららしい。
「ダヴィンチ」は手術現場に変革を起こしたと言われ、現在国内で570台以上が導入され、前立腺癌で保険適用になったこともあり、前立腺癌手術はほとんど「ダヴィンチ」で行われている。
前立腺癌の治療法は大きく分けて3つある。1つは手術(開腹、腹腔鏡)で、2つ目が放射線(重粒子線も含む)、3つ目にホルモン治療だ。ホルモン治療は手術も放射線照射も出来ない場合で、最後の手段になる。
当初、私は治療は重粒子線治療を行いたいと考えていて、医師にもその旨伝えていた。重粒子線を選んだのは当時、最先端の放射線治療で、体への負担が少なかったからだ。
ただ重粒子線治療施設は少なく、まだ九州にはなく近くでは兵庫県たつの市に施設があったぐらいで、それから程なく佐賀県鳥栖市に、また最近では鹿児島県にも開設されている。
鳥栖市に施設ができた直後ぐらいにそれまでの先端医療指定が外され保険適用になっているので随分重粒子線治療を受けやすくなった。
それなのに今回なぜ重粒子線から手術に替えたのかといえば後遺症の問題が分かったからだ。
きっかけは友人がたつの市の施設で重粒子線治療を行い、術後は実に快調で喜んでいたのだが10数年経って排尿困難になった。常時排尿困難というわけではないが、尿が出にくくなり膀胱に貯まるものだから苦しくて堪らず、何度か救急車で搬送された。
導尿すれば嘘のようにすっきりするらしいが、どうも重粒子線治療で尿道が少し傷付いていたらしく、その影響が術後10数年後に現れたのだ。
この話を医師にしたところ、放射線治療のデメリットだと教えてくれたが、最初の説明の時はなかなかそういうデメリットはこちらが尋ねても教えてくれない。長年、同じ医師と付き合っている会話の中で分かったことで、看護師でもこちらから○○という事実があると話すと、そうなんですとデメリットについて答えはするが、こちらに知識がなければ向こうから積極的に教えてくれることはないだろう。
尿漏れと排尿困難とどちらの方がまだマシか。看護師は私があまりにも尿漏れのことを心配しているからだろう「尿漏れと言ってもだだ漏れになるということではありませんから」と慰めてもくれた。
後は医師を信じて任せるだけ。といっても手術するのはまだ5か月も先の話だが。
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