簒奪できないなら花道の用意を
それにしても人はなぜ権力に執着するのか。
1つには居心地がいいからであり、2つには「魔法の杖」だからだ。
これさえ持っていれば社員をはじめ周囲の人間からチヤホヤされるし、「ワイン」であれ「牡蛎」であれ「欲しい」と一言いいさえすれば手に入る。
特に人事権は社員の生殺与奪を握っている切れ味抜群の妖刀だ。これに敢えて逆らう社員や取引先はいない。いてもごく少数だ。
だから一度手にすると、その心地よさに酔いしれる。
それがゴマと分かっていても悪い気はしない。最初の頃は「この野郎ゴマを擦りやがって」などと多少不快に思っていたとしても、やがてそれが常態化すればぬるま湯に浸かっているような心地よさを感じてくる。
社員にしろ取引先にしろ直言して睨まれ出世や取引に影響するのは好まないから、権力者に好まれるように振る舞う。
そして周囲に居るのはイエスピープルばかりになる。
こういう例をいくつも見てきた。若い時は老害、長期政権を批判していた人物でも自分がその地位に着けば同じことをする。
それほど権力とは恐ろしいものだ。
「権腐10年」を防ぎ活力ある組織を維持するためにはどうすればいいのか。
かつて私は「権力は簒奪しろ」と唱えた。
例え息子であっても禅譲してもらってその地位に就くのではなく、親から権力を簒奪して経営権を手に入れるぐらいの気概も持たなければならないし、またそうすべきだ、と。特に乱世は。
武田信玄は親を追放してトップになったし、家臣も信玄を評価し彼の陣営に加わったではないか。
(4)に続く
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