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「コロナ」が変えた社会(Z)〜世界はファッシズムに向かう(2)
〜都合よく説明できる陰謀論


都合よく説明できる宇宙人説や陰謀論

 宇宙人説や陰謀論が流行るのは、今起きている不可解な出来事を都合よく説明できることも大きく関係している。
 例えばキリストが起こした数々の奇跡や復活もキリスト宇宙人説に立てばスッキリ説明できるし、エジプトのピラミッドも宇宙人建設説なら実にスッキリ説明できる。
 アメリカの陰謀、ロスチャイルド家の陰謀、ビル・ゲイツの陰謀等々。とにかく不都合、不可解な現象は裏で〇〇が操っていると言いさえすれば、全て簡単に説明できる。
 陰謀だから理論的、科学的、論理的に説明しなくてもいい。「陰謀だ」と言いさえすればいいのだから。

 こうした陰謀話を聞いた人は最初は半信半疑だが、そういう人には「実は私も最初はそうだった」とか、別の人を連れて来て「この人も最初は半信半疑で信じてなかったけど、今は彼(彼女)の方が私に情報を教えてくれるほどの存在」と言えば「そうなのか、この人も最初は半信半疑だったのか。私と同じだ」という妙な安心感と仲間意識みたいなものを覚え、第三者が信じたのだから本当だろうと思い込んでいく。

 一度そうした感情に陥ると、後は陰謀論信者になるのは容易いことで、それを手助けしてくれる便利なものが現代にはある。インターネットやSNSだ。
インターネットに接続して検索すれば「仲間」はすぐ見つかる。そして安堵する。自分だけではなかった。ほかにもこんなに多くの人が信じているのだ、と。何事につけ人は独りだと不安になるが、同じ考えの人がいれば安心する。落ち着く。そして群れる。

動画中心の人ほど偽情報、陰謀論に感染

 インターネットは数々の便利なものを我々に提供し、生活を大きく変えることに貢献したが、その一方で人々を情報漬けにし、真偽不明な情報を溢れさせたのが最大の罪で、今GoogleやFacebook、Twitter、さらにMicrosoft社はそのことに気づき、フィルターにかけフェイクニュース(偽情報)の拡散を防ぐ必要性を感じ始めている。

 しかし、これは難しい問題だ。どれが不都合、あるいは害を与える情報で、どれがそうでないかの判断基準をどこに置くのか。また判断は誰がするのか等々といった問題がある。
 規制を強めれば、最近、力を増しつつある中国や、アジア他で拡大しつつある独裁政権のようになる危険性があるし、なにもしなければフェイクニュースに正しい情報が埋もれてしまうことになる。

 ところで陰謀論を信じる人達にはある共通点がある。ユーチューブなどの動画をよく見ているし、彼らが入手する情報はほとんどが動画だ。
 動画は視覚から直接脳へ情報が伝達される(送り込まれる)ため、脳を刺激することが少ない。そこが本や文字から入ってくる情報と違う点で、文字を読むという行為が加わることで情報が大脳を経由し、その間に考え、情報の選別をしている。
 つまり動画と文字情報では動画からの方が影響を受けやすく、陰謀論に限ることではないが他者の意見に感化されやすく、同調性が強いのは動画視聴者に多い。
                 (3)に続く

ソースネクスト


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