栗野的視点(No.821) 2024年3月1日
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思わぬ出合い、発見がある地方の旅〜縮景園の被爆樹
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地方を旅すると思わぬものに出合ったり、新たな発見をすることがあるから面白い。特に時代の変遷には無関心なように静かに佇む地方が好きだ。
観光地から外れたそういう地方にはよほど興味がある人以外は見向きもしないだろうと思うような時代の証人、時代の産物と言ってもいいような「お宝」がひっそりと眠っていることが多い。
それは珍しい山野草だったり、寺社建築、石仏だったりもするが、そういうものは事前に情報を入手して行っているわけではなく、たまたま立ち寄った先で偶然出合うことが多いからなおのこと面白い、楽しい。だから1箇所に時間がかかるし、ある程度決めた予定から大幅に外れることはしょっちゅうで、昼食が2時前後にずれ込むことはごく普通に起きるから、ツアー観光には不向きなタイプだ。
つい先日は軽い気持ちで縮景園に寄った。前日、広島市内で大学時代の友達2人と会食をしたので、翌日は広島市内観光でもと考え、今まで行ったことがない縮景園にでも行ってみるかという「でも」「でも」の軽い気持ちでホテルをチェックアウト後、徒歩で向かった。
大体の方向は地図で確かめていたが、広島駅を越えた辺りで通りかかった女性に縮景園の方向を念のため尋ねると「方向はこちらですが、歩いて行かれるんですか。市電で行かれた方がよくないですか」と驚いたように言われ、ホテルを出て方向を間違えたかとこちらも驚いた。
というのは昨夜、友達から歩いて15分ぐらい、バスに乗ってもいいし、と教えられていたし、ホテルでも10分少々と教えられていたからで、そんな距離は当然歩きだろうと思っていたからだ。
まあ、方向は間違ってなかったので、そのまま歩きほぼ15分で目的地に到着した。入園料の支払い口で女性の方から65歳以上の方は無料になりますと丁寧に教えられた。中国地方の観光施設等はシルバー世代無料のところが多い。福岡市のように市内在住者のシルバー世代のみ無料みたいなみみっちさがなく、県内外在住者を問わず65歳以上は無料。福岡市も見習って欲しいものだ。
縮景園はその名の通りに美しい風景をこの場所にぐっと縮めて眺められる庭園で実に素晴らしく、時間を忘れ園内を写真に撮りながら巡っていたが、ある場所でいつものように疑問が湧いた。
大きく傾いたイチョウの大木が目に入り、なぜ、この木は傾いているのだろうか。もしかすると、とある疑問が頭をもたげた。その疑問を解消すべく説明書きがどこかにないかと探したが、それらしきものは見当たらない。
ということは私の予想外れだったのかと思ったが、やはり疑問を解消したい。説明板がないなら、誰か知っていそうな人はいないかと周囲を見回すと、少し離れた所にご婦人2人をガイドしているボランティアの人がいたので近付き声を掛けた。
(2)に続く
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