急激に逆回転している時代の歯車を止められるか。(4)
〜歯車はどちらに回るのか


歯車はどちらに回るのか

 ロシアのウクライナ軍事侵攻は誰もがここまでやるとは予想しなかったに違いない。原子力発電所への攻撃は放射能汚染がヨーロッパ諸国にまで広がる危険性があり、プーチンもそのことは認識しているはず。にもかかわらず原発施設への攻撃を進めたり、病院を攻撃目標に加えるなど、かつてのナチスドイツでさえしなかった暴挙を敢えて行っていることが恐ろしい。
 さらに恐ろしいのはウクライナ上空を飛行禁止区域に制定すると参戦したとみなすとまで言い欧米諸国を牽制しているのは第3次世界大戦も辞さないということであり、時代の歯車は急激にフルスピードで逆回転し出したと言える。
 果たしてこの動きを止めることができるのか。それとも人類に未来はないのか。

 唯一、多少の手立てとでもいえるものがあるのは、世界は経済で繋がっているということだ。いまやほとんどの国は単独では存立しえない。食料も燃料も自国経済でさえも他国に依存しているし、他国の存在なしには、他国との友好な関係なしには自国の経済が成り立たない。そのことが今回よりいっそう明らかになった。

 問題はロシアに対する経済制裁が効果を発揮するまでウクライナが持つのかどうか。それともロシア経済が破綻するまでプーチンは戦争を続けるのか。
 そして中国は今回のことを他山の石とするのか、それとも対岸の火事と決めつけ「実際の戦争」に突き進む動きを止めないのか。

 「第3次世界大戦」はいままで言葉の上だけのことと考えられていたが、現実に起こるし、今その1歩手前まで来ている。我々は結束して、この動きを止められるのか、止めなければならない。


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