周辺自治体との協力、役割分担を
では、どうすればいいのか。
1.行政は日頃から周辺自治体と協力し、災害時に救援隊やボランティアを受け入れる体制を築いておくべき
被災直後に海外や救助ボランティアの受け入れを、現地の体制が整っていないという理由で断る例や、県内・市内ボランティアに限り受け入れるという例をよく見かけられる。
もし、一般ボランティアに2次災害等の不安があることから、そう言っているなら、被災直後は「災害ボランティア」(ここではある程度、訓練や経験があるボランティアという意味で使用)に限り受け入れ、現地状況がある程度分かった頃(1週間を過ぎない範囲で)に一般ボランティアを受け入れるようにすればいい。
2.救援の申し出は受けるべき
現地の交通事情や気候を理由にボランティアの派遣を断っている例があるようだが、なぜ断るのか分からない。
特に米軍あたりの援助隊はいかなる気象状態下でも活動する訓練を受けているだろうから、現地の気候、気象情報を正確に伝えて、支援をお願いすればいい。
これは台湾政府のボランティア派遣の申し出に対しても同じだ。
もし、こうした申し出を受け入れていれば災害関連死はもう少し防げたのではないだろうか。
3.救援・ボランティアの受け入れ場所・拠点を周辺自治体に設置する。
これも1と関連するが現地行政の人手が足りずにボランティアの派遣先仕分けや支援物資の配布先仕分けができないと災害の度に言われるが、そういう経験がある自治体や被災地周辺の自治体に協力を仰いだり、被災地ではなく周辺自治体に拠点を設置し、そこで支援物資を仕分けたり、その作業をボランティアにお願いしたりすれば人手不足を補えるだろう。
また援助・ボランティアの受け入れ場所や活動拠点も周辺自治体に設置し、そこから現地あるいは現地近くまでマイクロバス等で運行することも考えるべきだろう。
いや車で行ける所は限られているという意見もあるが、方法はゼロではない。車が通れなくてもバイクや自転車の2輪なら通れるところもあるだろうし、車で行ける所まで行き、後は徒歩で物資を運ぶことも可能なはず。実際にメディアの中には徒歩で孤立集落まで行き、現地情報を伝えたところもあった。
このように考え付くこと、できることはいくらでもあるはずだが、日本社会の中にはまだまだ「ムラ社会」意識が残っているようで、外部の手を借りる前に自分達の力で何とかしようとする意識が、特に行政側に強く残っているように思える。縦割り行政意識と言ってもいいが柔軟な発想が欠けている。
4.過去の震災に学んでない
阪神淡路大震災以後、大きな地震災害だけでも東日本大震災、熊本地震などに見舞われ、その都度経験を積んでいるはずだが、実のところ過去の経験から学び、備えてはいなかったようで、そのことが今回露呈した。
そして被災地以外の住人にとっては相変わらず他人事(ひとごと)のようで、国会議員の中でいち早く現地入りした、れいわ新選組の山本太郎議員を批判する風潮は一体何だろうと思ってしまう。彼が全くの手ぶらで物見遊山で現地入りし、カレーだけを食べて帰ったわけではないだろうに。視察と称してパリ観光をした議員集団とは次元が違うし、「異次元の」云々を連発するだけで中身がなく、実行を伴わないどこぞの総理とはそれこそ次元が違う。
一体いつからこの国はおかしくなったのか。
#能登半島地震救援
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