地名が面白い
西播磨に「月」の付く地名が多いのはなぜ(2)


 では三日月、上月はどれに当てはまるのか。まず三日月を調べていくと地名の謂れが3つあることが分かった。
 1つは地形に関するもの。三日月町を俯瞰すると三日月形をしているところから、三日月と呼ばれるようになったというもの。そう言われて地図を見ればたしかに三日月形に見えなくもないが。

 次は昔の天領で三日月藩があったから三日月と呼ばれているという説。
これは「味わいの里三日月」にルピナスの写真を撮りに行った時、そこのスタッフから聞いた話で、元佐用町の職員と言っていたし、町内の歴史にはある程度詳しそうだった。
 彼によると昔、三日月城があり、この辺り一帯は三日月藩だったが、後に天領となった由緒ある地域ということだった。
 要は三日月城があるから三日月という地名が付いたということだが、誰が、なぜ三日月城と名付けたのかが分からない以上、この話は信じられなかった。
 むしろ地名が先にあって、そこに城が造られ、その城が三日月城と呼ばれたと考えるべきだろう。それは全国の城名を見れば明らかで、秀吉が大阪城を造ったから、その地が大阪と呼ばれたわけでも、家康が江戸城を造ったから江戸の地名が生まれたわけではなく、その逆だからだ。
 よって三日月城があったから三日月の地名が生まれたという説は却下。

 3つ目は北条時頼が諸国行脚の際、この地に3か月滞在したことから三日月と名付けられたとする説。
 これは近くに北条時頼(鎌倉幕府第5代執権)ゆかりの最明寺があることからも上記2説よりははるかに信憑性があった。
 しかし、時代が少し新しい。というのも隣接地の美作国が出来たのが鎌倉時代より500年も遡るからで、同じような時代にすでに三日月の地名は存在していたのではないかと考えられる。

西播磨には「月」が付く地名が

 美作、西播磨辺りには不思議な地名がある。中には宇宙との関係、かぐや姫伝説との関係を思わせるような地名がある。
 かぐや姫と言えば月と関係があり、満月の夜、月に帰っていく物語を子供の頃聞いたことがあるだろうが、西播磨地区には「月」が付く地名があるのだ。それも2箇所。1つは三日月(みかづき)町で、もう1つは上月(こうづき)町。今は合併してともに佐用町の一部になっているが、同じ町に三日月、上月と月が付く地名が2つもあれば、さしずめTV番組風に言えば「宇宙人飛来伝説と関係か、ミステリーの謎に迫る」。

 まあ、それは別にして、古い地名には必ず謂れがあり、それらは探れば探るほど面白い。
 地名の成り立ちにはおおよそ3つある。1つは文字からある程度推察できるものがある。谷や山、丘(岡)、原(野)、島が付く地名などがそうで、それらは地形を表している。
 また江や沼、海、洗などの「サンズイ」の字が付く地名は、そこがかつて川や湿地帯だったことを表しており、これらは少し考えていけばある程度分かるが、分かりにくいのが読みから来ている地名だろう。
 それは読みが変化し、当初の文字とは別の文字が当て字で使われ、その文字で今残っていることがあるからだ。

地名、三日月の由来は

 では三日月、上月はどれに当てはまるのか。まず三日月を調べていくと地名の謂れが3つあることが分かった。
 1つは地形に関するもの。三日月町を俯瞰すると三日月形をしているところから、三日月と呼ばれるようになったというもの。そう言われて地図を見ればたしかに三日月形に見えなくもないが。

 次は昔の天領で三日月藩があったから三日月と呼ばれているという説。
これは「味わいの里三日月」にルピナスの写真を撮りに行った時、そこのスタッフから聞いた話で、元佐用町の職員と言っていたし、町内の歴史にはある程度詳しそうだった。
 彼によると昔、三日月城があり、この辺り一帯は三日月藩だったが、後に天領となった由緒ある地域ということだった。
 要は三日月城があるから三日月という地名が付いたということだが、誰が、なぜ三日月城と名付けたのかが分からない以上、この話は信じられなかった。
 むしろ地名が先にあって、そこに城が造られ、その城が三日月城と呼ばれたと考えるべきだろう。それは全国の城名を見れば明らかで、秀吉が大阪城を造ったから、その地が大阪と呼ばれたわけでも、家康が江戸城を造ったから江戸の地名が生まれたわけではなく、その逆だからだ。
 よって三日月城があったから三日月の地名が生まれたという説は却下。

 3つ目は北条時頼が諸国行脚の際、この地に3か月滞在したことから三日月と名付けられたとする説。
 これは近くに北条時頼(鎌倉幕府第5代執権)ゆかりの最明寺があることからも上記2説よりははるかに信憑性があった。
 しかし、時代が少し新しい。というのも隣接地の美作国が出来たのが鎌倉時代より500年も遡るからで、同じような時代にすでに三日月の地名は存在していたのではないかと考えられる。
                                      (3)に続く



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