ローカルビジネスこそ次世代ビジネス(2)
中堅グループの合併・資本提携が加速


中堅グループの合併・資本提携が加速

 数の論理を追い求め、拡大への道を突っ走るグループと、拡大路線とは別の所に活路を見出そうというグループに分かれ、流通業の2極化はますます進んでいる。
 問題なのは前者の道を歩む第2グループだろう。例えば九州の地場スーパー、サンリブ・マルショクグループは8期連続減収になり、大分県内で不採算4店舗を閉鎖した。
 同グループに残された選択肢はそう多くない。第1グループのどこかの傘下に入るか、第2グループ内で合併相手を探すかだ。

 こうした動きはこの1、2年、全国で顕著に見られ、山陽マルナカ(岡山市)はイオンの子会社に、天満屋ストア(岡山市)はイトーヨーカ堂(東京)と資本提携。スーパー大栄(北九州市)はイズミ(広島市)と資本・業務提携し、マルキョウ(福岡市)も西日本鉄道グループの西鉄ストアと資本提携した。

 いずれにしろ共通しているのは消費者を置き去りにした企業の生き残りの論理で、そのツケはいつも消費者に回ってくる。
 こう言えば反論が飛んできそうだ。とんでもない。消費者のためを思うからこその拡大だ、と。
 もちろん、そういう側面を否定はしないが、中堅企業が大手に傘下に入ると、それまでの独自仕入れが1本化され、ユニークな商品が棚から消えていき、どこで買っても同じものばかりということになり、商品の選択の幅を狭めていく。
 例えばダイエーや山陽マルナカの棚にはイオンのプライベート商品がめだつようになったし、他の商品もイオンで売られているものばかりになり、面白さに欠けてきた。
 さらに言うなら、合併・資本提携による競合店舗の廃止(従来ならスクラップアンドビルドと言うところだろうが、ビルドはほとんどない)で、郊外や中心部からショッピングセンターが撤退。廃墟が広がりつつある。それでも、建設直後に廃墟になっている中国のショッピングモールよりははるかにマシだが。
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