独裁政権が最初にやりたがるのは報道の自由の規制である。まず、政権側に都合のいい内容しか報道させたがらない。要は国民に権力側に都合のいい情報しか与えたくないのだ。
その次に批判的な報道内容を「フェイク」だと強弁する。それでも言うことを聞かない記者やジャーナリストをメディアから追放する。最初は「偏向報道」だと報道機関に圧力をかけ「自主規制」で、記者やジャーナリストを番組から降ろさせたり、配置転換させる。
それでも批判をやめなければ暴力的な手段に出る。何らかの理由を付けて逮捕監禁するか暗殺である。
さすがに民主主義国家では3番目の手段まで出ることは表面的にはないが、独裁政権下では現在でも行われているし、プーチンのロシアはこの手段に訴え反体制派の中心人物を排除している。
ロシアほど極端ではないが、アメリカでも言論の封殺は起こっているし、選挙結果に対し「不正が行われた」と主張し、議会議事堂に向けて進むようトランプ支持者を焚き付け、実際に議事堂が占拠された事件も起きた。
怖いのは今、強権的な政治家が世界的に台頭しつつあることと、そうした政治家が一定の支持を広げつつあることで、日本も例外ではない。
最近の政治家はトップに就くと豹変し強権的になる。その典型が斎藤前兵庫県知事だが、最近コメンテーターとしてメディアによく顔を出している泉房穂氏もパワハラで明石市長を辞職したが、そのことを本人も彼を起用するメディアも忘れているらしい。
他にも例を挙げればキリがなく、行政トップに就いた途端に公私混同、パワハラの強権政治を行う傾向が強い。
ヨーロッパでは極右政党が政権に就きそうな勢いまで見せている。
その一方でイスラエルのようにガザ地区への軍事侵攻を強め、パレスチナ人への虐殺を行う国が出てきたことは驚きだ。イスラエルはジェノサイドを経験した民族だというのに、今同じようなことをパレスチナ人に対し行っている。
今、世界情勢はナチスの勢力拡大、日本の満州(中国東北部)侵略、そして第2次世界大戦へと続く頃とよく似ている。いや、第3次世界大戦はすでに起きていると言っていいだろう。
かつて世界中に広がったベトナム戦争反対運動のようなうねりは起こらず、人々は暴力の前に屈したまま。
ホモ・サピエンスに未来があるとはとても思えない。
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