栗野的視点(No.841) 2024年11月19日
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内向き社会〜鏡映りばかりを気にする日本の若者
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毎日目に入る景色と言えばベージュ色の壁と赤い色をした液体のみ。変化を与えてくれるのは代わる代わるに日に3、4回顔を出す若い女性達。
1日ベッドで横になっているからTVしか見るものはないだろうと考えていたが、TVを点けている時間は普段の生活より短くなった。というかほとんどTVを見てない。見ない理由は面白いと感じる番組がないからで、BGM代わりにTVを点ける習慣は昔からない。
代わりに観ているのはお腹からの出血と尿に混じる血の色の変化。まだ色が濃い、いや少し薄くなったようだ、なんだまた濃くなってきたではないかと、赤色に一喜一憂している。
そんな毎日だが、珍しくTVを観た日があった。フィギュアスケートのNHK杯だ。7時のニュースに続いて放映されたのでそのまま見たというだけだが、女子は坂本花織選手がダントツの強さを示して優勝。男子は壷井達也選手が3位入賞し、鍵山優真選手が2位以下に大きく点差を付けて優勝するなど日本勢の活躍が目立ったが、それ以上に目立ったのは表彰式直前の映像。
鍵山選手の顔がアップでしばらく流され、レンズは壷井選手の表彰式に上がる前の姿を捕らえたが、そこで軽い違和感を覚えた。2人ともしきりに髪型を気にし、整える仕草を繰り返すのだ。
滑り終わった直後で髪型が乱れたのは分かるが、一、二度手で整えれば済むだろうと思ったが、鍵山選手の方はさらにしつこかった。何度も何度も髪、それも前髪を気にして整えている。女子選手でもここまで髪形を気にし髪を直している姿はそれほど見たことはない。
その姿をレンズがアップで「執拗に」追い続ける。彼らもTVカメラに映されているのは分かっているはずだが、気にならないのか、気になるのは自分の前髪だけなのか、ひたすら何度も何度も何度も前髪を整え続ける。
それ程気になるならいっそ鏡を渡してやれ!
そう思わせる程、見ていて違和感があった。
これが今の若者、と言われるかもしれない。
たしかにいつの時代も若者は新しい文化、ファッションを生み出してきた。そしてそれはある部分、世界に共通していた。
では、他の国の同世代若者もこんなに前髪を気にするのだろうか。
気になり2位のダニエル・グラスル(イタリア)が表彰台に上がる前後の映像を注視したが、彼が頭髪に手をやったのは垂れた前髪を戻した1度だけだった。
やはり日本の若者2人が前髪の乱れを気にし過ぎていた。女子選手でさえそこまで髪の乱れを気にしていなかったからTVを見ていて非常に違和感があった。
それはオシャレとか身だしなみという度を超えており、なぜそこまで鏡映り、特に前髪の垂れ下がり様が気になるのか。
ふと頭を過ったのが歩きながら手鏡を見て、しきりに前髪を直す女子中・高生の姿だ。そういう景色を目にし出したのはもう10数年以上前になるだろうか。中にはスマホの自撮り画面を見て前髪を直しながら歩いている子もいる。
ただ、それは都会の子で、田舎の女子中・高生で歩きながら手鏡で前髪を直している姿はほとんど目にしたことがない。通学列車の中は別として。
(2)に続く
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