「コロナ」閉店・倒産ラッシュが始まっている。(1)


栗野的視点(No.695)                   2020年7月4日
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「コロナ」閉店・倒産ラッシュが始まっている。
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 景気後退期と景気回復期で、倒産が増えるのはどちらだろうか。答えは景気回復期の方だ。資金が続かなくなるというのもあるが、心理的な面も多分に影響しているだろう。
 人は皆同じように苦しい時は我慢できる。厳しいのは自分のところだけではないと思えるからで、精神的な団結心とでも言えるものがある。ところが不景気を脱して景気が上向き始めると先に景気がよくなるところと、その流れに取り残されたところが出て来る。
 横一線だったのが崩れてくると、景気回復の波に乗れてないところは売り上げという物質面と、取り残されたという精神面の両方でダメージを受ける。そして「頑張ろう」という気力がプツンと切れるのだ。

消費税とCOVID-19でダブルダメージ

 今回のCOVID-19が閉店・倒産の最後のトリガー(引き金)になったのは間違いない。最初のトリガーは昨年10月の消費税率引き上げだった。私が住んでいる住宅地でも9月末から12月下旬にかけて閉店が相次いだ。
 消費税率10%へのアップは実に分かりにくく、悪法以外の何物でもなかった。同じ店内で、この商品は8%、あれは10%と分けなければならず、弱小零細企業には煩わしいだけに留まらず、そのためのレジスター導入など経費負担増以外の何物でもない。
 それでも売り上げが上がるならまだ我慢もできるが、逆に割高感を抱かせ、客離れを招いたとあっては経費増でしかなく、それならいっそこれを契機に閉店、という店が増えた。

 そして、なんとかと乗り越えようとしてきた店に無慈悲に襲い掛かったのがCOVID-19による外出自粛と、全国一律の緊急事態宣言に、過剰なまでのメディアの報道である。

 私は経済優先主義者ではない。むしろその逆である。それでも今回の対応には大いに疑問を感じている。本来ダメージを与えなくてもいいところにまでダメージを与えたという意味で。
 そういう意味では尾身氏など専門家会議の連中には自己批判をしてもらいたい。少なくとも議事録を残さなかったことに対しては。
 仮にそれが政府の言ったことであっても、議事録は残すように主張すべきだし、個々人の発言をきちんと記録すべきだ。そのことを主張できなかったとすれば、彼ら自身に一抹の不安、自分の主張の正しさに対する迷いというか不安があったとしか思えない。

 普段、エビデンス(根拠)を主張する彼らが自らそれを黙殺したわけで、それは科学者にあるまじき姿で、科学者としての死を意味する。
 結局、日中戦争と、それに続く太平洋戦争で科学者が取った態度と何ら変わらない。科学のためという口実の下、生物兵器や毒薬、原爆の開発、人体実験などに加担してきた歴史を彼らは思い起こすだろうか。

地域の商店街でも閉店ラッシュ

 話を元に戻そう。私が住む狭い地域だけで昨年10月以来閉店したのは靴屋、仕出し弁当屋、スナック、美容院、理容院、米屋などがある。これらの店は消費税率アップやCOVID-19がなくても、いずれ閉店せざるを得なかったかもしれない。それでも消費税率アップとCOVID-19が閉店時期を早めたのは間違いない。

 6月30日付けで閉店した理容院のガラス戸には「この地で52年営業」という文言が見て取れた。美容院も30数年の営業とあった。米穀店に至ってはもっと長い。私がこの地に移り住んだ頃、世話になった店で、当時の米穀店は米だけでなく灯油やちょっとした日用品も扱い、配達をしてくれるので随分助かったものだ。
 その後、時代が変わり米はスーパーでも買えるようになったとはいえ、今でも高齢者には電話1本で配達をしてくれる店は重宝な存在だったはずだ。

 全国規模で見ると、COVID-19関連倒産件数は308件(7/1現在)を数える(帝国データバンク)。
 内訳は飲食店(49件)、ホテル・旅館(45件)、アパレル・雑貨小売店(21件)、食品卸(19件)、食品製造(18件)などである。
 これはあくまで倒産件数であり、これとは別に上記のような閉店が加わってくる。しかも大手調査会社のデータや統計資料にも載らないような弱小零細の個人商店が加わると、COVID-19関連閉店・倒産件数はかなり増えるだろう。

 外食産業はロイヤルホストの70店閉鎖、ジョイフル200店閉鎖などがあるが、こうした動きは他チェーン店にも広がると思える。
 そうなると現在表に出ている数字以上にかなり多くの店が閉店・廃業・倒産に追い込まれているし、今後さらに増えることだろう。
 閉店・倒産まで行かなくても隠れ予備軍とでもいうべきチェーン店も結構ある。当座は店舗の一部閉店などで凌いでいるが、客足が戻らなければ一気に倒産・廃業ということはある。
                               (2)に続く

 


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