三流の国になり、ますます貧富の差が拡大するニッポン(5)
〜富裕層の一部が経済も権力も掌握


富裕層の一部が経済も権力も掌握

 中間層が消え、社会が2極化しているのは日本だけでなく世界的に見られる傾向だが、富裕層と下流層に2極化した社会の先に現れるのはどのような社会なのか。
 人々、特に下流層の人々が待ち望むのは現状を変えてくれる(かもしれないと思わせる)強いリーダーであり、そのリーダーに将来を託そうとする。

 だが、強いリーダーが庶民、下層階級の味方とは限らない。
自らの野望を満たすために大衆(その多くは下流層民だが)の味方をするフリをして支持を取り付けようとしているだけかもしれない。
 彼が欲しいのは自分が意のままに操作できる「権力」であり、それを掌中にした途端オオカミに変身し強権政治、独裁政治を行う例を世界でよく見かけるが、最近は羊の皮を被るどころか最初からオオカミの姿をしたリーダーさえ現れている。
 既存政治への民衆の不満を煽り、操作し、そこに付け込み選挙で多数票を獲得し、民主主義の制度を利用して行政のトップに立つから、一見民主主義制度を守っている顔をする。
 だが、それは権力を掌中にするまでで、権力を掌中にした後はほぼ例外なく独裁者の本性を現し、強権政治を行い独裁者になっていく。
 独裁者の前では民主主義体制は弱いということはローマの時代から分かっているが、人類は経験に学び賢くなっているという思い込みがあるものだから、現実はその逆だが、そのことに気づかず何度も同じ過ちを繰り返していく。
 我々は強権政治、独裁者の出現を防げるだろうか−−。

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