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淘汰の時代に入ったSIMフリー市場(1)
〜FREETELの身売りから見えるもの


  ベンチャー企業は市場拡大期に潰れる(潰される)。ベンチャー企業がニッチ市場を苦労して開拓し、商品と市場が少し知られるようになり利用者が増えてくると、それまで小さな市場を相手にしなかった大手企業がこぞって参入してくる。そして資本力にものを言わせ、一気に市場を奪って行くーー。

 過去、何度も目にしたこの光景が、今またSIMフリー市場で繰り広げられつつある。予想はSIMフリー市場の拡大期、データ通信専用から音声通信も取り扱うようになった頃からあった。
 インターネットの初期に貢献したプロバイダー、ベッコウアメや24時間風呂、航空機市場、さらに遡れば日本国内のPCがNECの寡占が崩れ「DOSV」(いまやそれが当たり前になりDOSVという言葉さえ使われなくなったが)への以降期に貢献した企業も市場の拡大期に消えていった。まるで「時代」から与えられた役目を終えたように、表舞台から静かに退場した。

FREETELを楽天モバイルに売却

 今年9月下旬、「FREETEL」ブランドで知られるプラスワン・マーケティングがSIMフリー事業を楽天モバイルに売却すると発表し、11月1日付けでFREETELのSIMサービスは楽天モバイルの傘下に入った。
 FREETELのブランド名で行われていたプラン、サービスは従来のまま継続されるとのことだが、あくまで当分の間で、早ければ年明け以降、楽天モバイルに一本化されるだろう。そうなるとFREETELの従来サービスがどうなるのか気になるところだが、これも当分は従来通りの形で維持されるようだ。

 今回の売却はプラスワン・マーケティングという会社の売却ではなく、事業の一部というか、かなりの部分の売却ではあるが、同社自体は残りの事業、スマートフォンの製造企画・販売などのハード部門に注力していくとのことだ。
 このニュースに接した時、多少の驚きはあったが、その一方で、ああ、やはりそうか、という思いがしたのも事実だ。というのもSIMフリー市場に参入企業が増え出した頃から淘汰が始まると見ていたのと、FREETELに対する懸念が比較的早い時期からあったからである。

 まず前者の多少の驚き。それは約30億円という負債額である。正直、そこまで多くはないだろうと思っていた。
 それでは楽天モバイルはいくらで買収したのかといえば約5億円である。もちろん30億円の負債ともどもだが、30億円は回収不能負債ではないからFREETELのサービスを顧客ともども5億円で買ったことになるから、安い買い物と言える。ただ、今回の件でFREETELから流出する顧客が増えれば話は別だ。顧客流出を止めるためには停滞していたサービスを早く再開、充実できるかどうかにかかっている。

キャリア志向で失敗したベンチャー

 次にプラスワン・マーケティングに感じていた懸念。

1.トップから感じる色気

 長年、ベンチャー企業を見ていて感じるのは、色気の多いトップは失敗する確率が高い、ということだ。
 色気と言っても異性に対するエロス系ではない。事業に対する色気である。事業欲とも少し違う。事業を立ち上げ、それが軌道に乗るまでは地道に邁進すべきだと考えるが、少し売上高が上がったり、周囲から注目されだすと、マスコミ受けするカッコイイことや新しい分野に手を出したがるのだ。

 同社の場合、社長の増田薫氏本人がこの色気を強烈に発散しているのを感じていた。リーゼントの髪形にダブルのスーツをピチッと着こなした姿からして、この人は女が好きだなと思わせるものがあった(個人的な感想、直感的なものに過ぎないが)。
 新製品の発表会も華々しく行われた。PR上手と感じたが、これは悪いことではない。むしろ個人的には会社への高感度が増したし、応援したい気持ちにさせた。それでも、どうしてもあの顔だけは好きになれないというか、別のことを感じさせる。
 私は経営者の顔にこだわる。40歳過ぎれば自分の顔に責任を持てと言われるが、それまでの人生の過ごし方が顔に現れるからだ。これは男に限ったことではなく、女性も同じだ。
 ともあれ、私は増田氏からモノづくり企業のトップの顔は感じられなかった。
                                          (2)に続く

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