デル株式会社

 


「Go toキャンペーン」より消費税の値下げを(3)
〜不公平感是正に消費税の値下げを


「Go to」は格差拡大の不公平政策

 「Go to トラベル」にしろ「Go to イート」にしろ、潤っているのは大手や高級宿泊施設で、本当に苦しいところにはカネが流れていない。
 「旅行に行こう」という呼びかけではなく、そこに助成金が出るとなれば、それも10%とか20%ではなく、35%も出るとなれば、いままでよりはランクアップした所に泊まりたいと思うのは人情だ。
 仮に1泊3万円の宿と1万円の宿を比べてみると、35%引きなら前者は1万9500円で、後者は6500円で泊まれることになる。これを値引き額に直すと、前者は1万500円の得で、後者は3500円得という計算になる。

 こう見てくると割引率は同じでも、お得感がまるで違う。それなら高級な宿泊施設に泊まって、ちょっぴりリッチな気分を味わいたいと考えるのが人情だ。かくして高級・高額な宿泊施設に客が集中し、普段から低価格で運営している所は「Go to」の恩恵をほとんど受けない。
 これでは「新型コロナウイルスで売り上げが激減した中で頑張っている観光施設や観光関連の店を応援」ではなく、高級な観光施設の応援でしかなく、低価格プランを提供している観光施設は「”自助”で頑張ってね」と言われているのと同じであり、行政が観光業の二極化、格差拡大をしているのと同じだ。

 国の政策がこのような不公平なものであっていいはずはないが、この不公平さは観光業界だけでなく、それを利用する国民の側にもある。というのも、この制度を誰もが利用出来るわけではないからだ。「Go to」を利用して旅行に行きたくても、時間的、金銭的にその余裕がない層が少なからずいる。
 それは低所得層だけではない。医療従事者、介護職の人達は人的余裕がない状態で仕事をしている人が大半であり、旅行に行きたくても、その時間を取れないというのが実情だろう。
 要は、この制度は時間的、金銭的に余裕がある人に向けた制度で、本当に支援が必要な人達は切り捨てた格差拡大の制度と言っても間違いではない。安倍前首相が飼い猫だか飼い犬だかを抱きながら優雅にコーヒーを飲んでいる「with コロナ」時代の過ごし方と同じで、そこには弱者に対する視線は皆無である。

 菅政権は安倍政権を引き継いだだけでなく、それをさらに発展させ「自助」が第一と言って切り捨てた。時間が取れない奴は自分で時間を取れるようにしろ、旅行に行くカネがない奴は、そのカネを稼げ。自分でなんとかできない奴は次には身内に助けてもらえ(共助)、それでもダメな時にはじめて国や自治体に言ってこい(公助)と。
 安倍政権でもここまでは言わなかったが、「叩き上げ」「無派閥」を自認しながら派閥の応援に頼って首相に上り詰めた、陰気な顔をした男は「俺の時代はそうして頑張ってきた」と言わんばかりに「自助」と格差拡大を押し付けているから、ある意味アメリカのトランプ大統領(現時点で)以上かもしれない。。
 「Go to イート」に至ってはさらに分からない。クーポンの確保自体がままならないと言うから、なんのためのキャンペーンかと思ってしまう。

不公平感是正に消費税の値下げを

 一部の人のみが恩恵を受けられる「Go to」は即刻止めて、誰もが納得でき、なおかつ消費を喚起させるには消費税を5%に値下げするのが一番だ。コロナ禍で生活が苦しくても食料を始め日用品への出費は絶対必要である。
 誰も行けるわけではない旅行や飲食に助成金を出すより、日々出費している食料等にかかる消費税が下げられる方がはるかに実感しやすいし、助かると誰もが感じるはずだ。

 菅首相は「消費税は社会福祉目的税だから、値下げは考えていない」と国会で答弁しているが、訳の分からない使い道をしているものが結構あるのに、なぜ消費税だけ頑なに使途に拘り、値下げをしようとしないのか。
 野党も旧立憲民主党は消費税値下げに反対してきたし、新立憲民主党も消費税の値下げを声高には言わない。彼らが民主党政権時代に消費税値上げを唱え、値上げに道を開いてきた過去があるからだろうが、同党の江田憲司氏も言うように「消費喚起策として1年間消費税を5%に減税」を積極的に主張し、働きかけるべきだろう。
 これこそが観光関連産業も飲食店も食料品店、衣料品店等幅広く恩恵を受ける支援策であろう。
 陰気な顔をして、答弁書の棒読みばかりし、絶対に謝りを認めず、前言を訂正しない首相には早々に退陣してもらいたいと思うが。でなければ年末に向けて企業の倒産はさらに増えるだろうし、街には失業者が溢れることになる。


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