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パラダイムシフトが起きつつある(シリーズT)
消えた消費者を求めて模索する小売業(2)
〜高齢者の安否確認サービスも〜


 その点、オレンジライフは毎日注文、翌日配達なので高齢者に限らず、乳幼児を抱える家庭や忙しくて買い物に行けない人などにとっても便利な存在だろう。
 しかも、無料電話による注文なので、インターネットに無縁な層でも注文しやすいようにしている点は高く評価できる。
 実際、毎日深夜○時半までの注文で翌夕までに配達というシステムは予想以上に使いやすく便利である。
 このほかにも一人住まいに便利なカット済み食材や毎週激安の特売品もあるなど、価格的にもスーパーの店頭で買うのと変りないようだ。

高齢者の安否確認サービスも

 もう一つの特徴が高齢者の安否確認サービス。
毎週1回程度電話での安否確認やチラシを手渡しして安否確認をしてくれる。それでも連絡が取れないときは登録先にメールで連絡をしてくれるのだ。
 このサービスは希望者のみで、メールの連絡先は事前登録が必要。独り暮らしの高齢者を抱えている家族などにはうれしいサービスだ。

 ところで、なぜ、視覚障害者自立支援協会がオレンジライフと協働事業を始めたのか。
 同協会は文字通り「視覚障害者の社会参加と自立を支援」することを目的に平成19年に設立された組織である。行政の補助金や助成金頼みで運営されているところが多い中、同協会は「協働事業を行い、その収益や募金で支援活動を行」うなどユニークな活動を続けている。
 同協会が行っている主要な支援事業に「オーデコ」の取得支援がある。
「オーデコ」とは視覚障害者が一人で歩ける歩行補助器のことで、東京大学と福祉器具メーカーのアイプラスプラス(東京)が共同開発した装置。おでこに小型カメラと電極を内蔵したヘッドバンドを装着すれば、カメラに映った横断歩道や障害物などの画像を電気刺激に変えて額に伝え、目の前の景色を認識できるようにしたものだ。
 静止したものだけでなく連続する動きも認識できるようになるため、エレベーターや電車の扉の開閉も認識できるなど、この装置を装着すれば視覚障害者が一人で外出しやすくなるという。
 ただ、難点は装置の価格が1台126万円と高いこと。そこで同支援協会が購入し、視覚障害者に無料で貸し出している。
 今回のオレンジライフとの協働事業から得られる収益(売上金の一部)も「オーデコ」購入資金の一部になる。
 現在、日常の買い物に不自由している方、近くにそういう方がいる人、あるいは自分でも個別宅配サービスを利用してみたいと考えている人は下記へ連絡を。(オレンジライフの宅配エリアは現在、福岡、佐賀、熊本の各県だが、エリア内でも一部対応できない地域もある)
 問い合わせ・申込先 フリーダイヤル0120−934−401

                                                 (続く)



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