老々介護と施設選びの経験から見えたこと(5)
〜「独りぼっち」と思わせない


 最後に、母を入所させた後のこちら側の対応について。
遠く離れた、岡山とは言葉も違う地での生活ということもあり、最初の頃はほぼ毎日、少したってからも2、3日に一度は必ず施設へ会いに行き話し相手になるように心掛けた。
 自宅から徒歩20分、車なら7、8分という距離だったのがよかった。やはり距離は重要で、もし距離があれば週に2度が1度になり、そのうち月に数度と面会回数も時間も減っていったかもしれない。人間は誰でも楽をしたいと思うし、やすきに流れる。
 それでも私はできるだけ施設に訪ねて行くようにしていた。それは母を「独りぼっち」という気持ちにさせないということもあるが、施設の人に外部の目を意識させるためでもあった。
 入所者の家族が誰も来ない、来ても時折となると、情報が外に漏れない閉鎖社会になってしまう。ところが頻繁に家族が訪問してきて30分〜1時間も居るとなると、時々問題になる施設内のイジメや虐待の防止になるかもしれないと考えてもいたからだ。

 以上、個人的な経験から施設選びについて縷々書いてきたが、最後にまとめておこう。
1.老々介護は頑張らないこと。自分の時間を作り、自分の生活を楽しみながら行う。
2.手抜き介護のための手順はまずヘルパーを活用すること。
 次にデイケアーなどの通所施設の利用
3.老人ホームの種類は多いから、被介護者の状況によってどこが利用可能か調べる。
4.入所施設はできるだけ丹念に事前視察しておくこと。金額だけでなく中の雰囲気、職員の対応・態度をよく観察しておく。
5.入所申し込みは1か所ではなく複数、それもできるだけ多く出しておく。
6.自宅から近い施設を選んだ方がいい。
7.被介護者を寂しがらせないためにも面会を。
8.面会は施設に外部の目を意識させる役目もある。



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