「ガースー」の「Go to トラベル」は「Go to ”トラブル”」(3)
〜遅く極端な対応、無意味なマウスガード


遅く極端な対応、無意味なマウスガード

 それにしても、この国のトップはやることが極端。対応が遅く、批判されると一転、今度は一斉にやりたがる。だから混乱と困惑を招く。「Go to キャンペーン」がまさにそれ。「命を守ることが何より大事」と言ったかと思うと、今度は「経済再生」を言う。
 常にあれかこれかの二元論だから、右に振れたかと思うと今度は左に振れる。だから反動も大きい。しかも恩恵を受けるのは一部だけで、弱者は常に恩恵を受けることもなく切り捨てられる。「こんな社会に誰がした」と恨み歌の一つも出て来ようというものだが、高級料亭での会食しかしない政治家達には旅行したくても出来ない、贅沢をしたいと言っているわけではなく、せめて3食まともに食べられたらと願っている庶民の気持ちなど分からないだろうし分かろうともしない。

 「Go to」にしても税金で補填して大々的に割り引きキャンペーンをしなければ、ここまでCOVID-19の感染者が一気に増えることはなかったのではないか。9月の3連休に京都嵐山の人出は前年の60%アップ。COVID-19で落ち込んだ分が戻ったという程度ではない。まだウイルスの影響もない時以上の人出が、インバウンドなしであったのだから、まさに観光バブル。
 バブルは必ず弾ける。ところが想定以上に早くというか、あっという間に弾けさせられた。弾けさせたのはCOVID-19か。いやウイルスではなく政府による人災だろう。
 急上昇させるから急降下する。緩やかに上昇させていればソフトランディングできたはずだ。それを、何度も言うが税金を使って割り引きキャンペーンをして旅行を煽るものだから、この時期に旅行しなければ損という風潮を国民の間に生み、皆が一斉に旅行に行く。人出が増えれば密になるのは当然でSARS-CoV-2に限らず風邪にでも感染しやすくなるし、インフルエンザにもかかる。それが今回はCOVID-19だったというだけだ。

 ただ、ここまで感染者が増えれば急ブレーキを踏まざるを得ないだろうが、全国一律、一斉にやるものだから、もともと巡航速度で走っていたものまで止められる。恩恵など受けていないのに不利益だけは同じように被らせられるのはおかしな話というか、納得できないが誰もそこは言わない。

 感染者がある程度増えるのは分かっていた。政治家にしてもマスク着用は減り、形だけのアクリル板を立てたり、マウスガード姿が目立つようになっていた。特にTVでは。マウスガードなどアリバイ証明でしかなく、着けてないのと同じだ。
 要は「Go to」云々というより、気の緩みが感染を増やしたわけで、そこに旅行バブルが感染者を増加させたということで、感染者数を増やしたのは政府の責任と言っていい。

メルケル首相を見習え

 ドイツのメルケル首相は12月9日、連邦議会で次のように演説している。
 「私が非常に心配しているのは、ドイツの1日あたりの新規感染者数が1週間ごとに約3500人ずつ増えていることです。しかもクリスマスまであと2週間しかありません。わずか2週間です!」
 「科学者たちは、クリスマスの休暇に、市民の接触を必要最小限のレベルまで減らすべきだと提言しています。私はこれがいかに難しいかを知っています。クリスマスの風物詩であるホットワインやワッフルの露店が町の広場で準備されていた時に、政府から『食べ物を屋外で食べてはならず、家に持ち帰らなくてはならない』と命じられることが、人々にとっていかにつらく不愉快であるか、私は理解できます。申し訳ありません。私は心から申し訳なく思います。しかし接触が減らない場合、我々は毎日590人の命が失われるという代償を払わなくてはなりません。これは絶対に受け入れられません。したがって、我々は今行動しなくてはならないのです」
 「もしも我々がクリスマス前にロックダウンを始めず、人々と接触し続けることで、今年が祖父母との最後のクリスマスになったとしたら、我々は重大な間違いを犯すことになるでしょう。そうした事態は絶対に避けなくてはなりません」
 「カースー」も小池もメルケル首相を少しでも見習って欲しいものだ。爪の垢でも煎じて飲め、とまでは言わないが。



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