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なぜジーンズメーカーは相次ぎ経営破綻したのか。(2)
〜日本の製造業が抱えている課題、問題点〜


 利益を弾き出すのはあくまで本業と心するべきだろう。それ以外への注力は20-30%までに止めるべきだ。それなら仮に失敗しても踏ん張ればなんとかなるだろうが、年商と同額も他の分野に注ぎ込めば取り返すのは難しい。

経理担当の横領・着服に注意

 もう一つの教訓は経理である。日本企業の場合、監査役は閑職、お飾り役職的なところがあり、大企業でも監査役がなんらかのチェック機能を果たしたという話を聞いたことがない。
 監査役が本来の権限を与えられていないことも原因の一つだろうが、中小企業の場合は人員不足もあり、同じ人間が長年、経理を担当していることが多い。長野県建設業厚生年金基金の使途不明金を挙げるまでもなく、横領・着服等が発覚するのは担当者が異動になったり、外部検査が入った時だ。
 逆に言えば、それまで長期に渡り経理チェックをしていなかったということだが、中小企業の中には「経理は○○さんに任せている。私が見ても分からんから」と言う社長もいる。信頼することと、ノーチェックは別のことなのだが。

 さらにひと言追加すれば、弱小零細企業の場合、身内が経理を担当していることが多い。そして使い込みをするのは他人より身内の方が多い。人は誰でも誘惑に負ける。身内だから絶対誘惑に負けないわけではない。再度記す。信頼と盲信は別であり、愛があればこそチェックするのである。

 不正経理を防ぐには、まず自らが不正出来ない仕組みをつくることだ。仕組みを作ってもそれがその通りに働かなければ同じことだ。
 仕組みを仕組み通りに働かせるためには長期間、一定の人間をその職種に就かせないことだ。経理担当者を2年毎に採用するようにしている某社の社長を知っているが、過去、経理担当者に着服されたことがあったからだ。次に採用した女性から同じことをされ、ついに経理担当者に限り長期雇用を止めたと言っていた。いずれも信頼して経理を全て任せ、チェックしてこなかったからで、「それが反省です」。
 このように他人でさえ着服するのだから身内ならもっと簡単に着服できるし、そうした例は非常に多い。ただ、身内だからということで告訴等の表沙汰にしない例が多いから、一般の目に触れることが少ないだけだ。

 次に、不意に帳簿、現金の突き合わせチェックを行うことだろう。帳簿はその年だけでなく、過去数年間に渡り、おかしな箇所がないかを見ていくことだ。それでもなお着服された場合は相手の方が1枚上手だったと、諦めるしかない。

 それにしても最近の着服額はスゴイ。昔、女性行員が3億円着服した事件があり、その桁外れた額に驚いた記憶があるが、いまでは数億円と聞いても驚かない程、着服額が増え、また日常化している。そんな中でも長野県建設業厚生年金基金の元事務長がらみで約23億8000万円の使途不明金には驚いたというより呆れた。全額を彼が使用したのではないかも分からないが、ちょっと注意していれば分かったはずだが(生活が派手だったから)気が付かなかった方がバカと言われても仕方ないだろう。
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