デル株式会社

 


デル14型ノートパソコンのバッテリーを自分で交換する


 デルの14型ノートパソコンのバッテリー持ちが極端に悪くなり、1時間近く使うだけで、突然電源が落ちるようになっていた。それが2か月ほど前からは充電しても「十分充電できないから修理するように」というメッセージが表示されるようになった。

 バッテリーがヘタるようになる年数が少し早すぎるような気がしたが、外出時に持ち歩いて使っているわけでも、そういう使い方をしているわけでもないから、バッテリーはどうでもよかった。確かにコードに接続する煩わしさはあるが、室内で使用している分には気にもしていなかったし、不自由も感じていなかった。

◇ユーザーによる改造は一切認めない

 ただ、昔のノートPCはバッテリーは外付けが一般的だったから、ACアダプター接続で使う時はバッテリーを取り外して使うのが常だった。それがバッテリーを長持ちさせるコツだからだ。

 ところが最近のノートPCはほぼ例外なく内蔵バッテリーになっている。そのためACアダプター接続時にバッテリーを外して使うことができない。しかも充電時に満充電になってもACアダプターのコードを抜き忘れることが多い。結果、過充電になる。
 過充電防止装置付きならいいが、そうでなければ過充電はバッテリーを劣化させる。どうもデルのノートPCは過充電防止装置が付いていないのではないか。でなければ、こんなに早くバッテリーがヘタるはずはない。

 昔のPCはノートタイプであれ据え置きタイプであれ部品交換は自分でできた。そのためメモリーの増設やハードディスクドライブ(HDD)の交換は何度か自分でしたこともある。
 ところが、いつの頃からかノートPCは裏ぶたを開けてメモリー交換すら勝手にやれなくなった。改造とみなし、改造したPCは保証期間内であっても保証対象外品とし、メーカーの修理等が受けられなくなった。

 ある時など友達のPC購入に付き合い、メモリー4MBは少ないから8MBに増設した方がいいかもしれないと考え、取り敢えずメモリーの在庫と価格を尋ねてみた。すると「うちではメモリーの増設はできないんです」と言われ、一瞬耳を疑った。
「メモリーの増設だよ。そんな簡単なことが出来ない?」
「はい、メーカーでなければダメで、私達販売員でも禁止されているんです」
「禁止って、どういうこと。昔は自分でやったことがあるけど」
「はい、すみません。メーカー以外が裏ぶたを開けると改造になり、メーカー保証が受けられなくなるから私達販売店でもすることはできないんです」
「ではメモリー増設は一切できないということか」
「購入時ならメーカーにパソコンを送り増設してもらうことが出来ますが、購入後の増設はできません」

 こんなやり取りを量販店の店頭で昨年したことがあった。
なんとも腑に落ちない話だが、近年は誰も彼もがPCを使うようになったのはいいが、PCについての基礎的な知識も持たない人が増え、勝手に内部をイジって「壊れた」「不良品だ」とメーカーにクレームをつける人が増えてきたからかもしれない。
 そうしたクレーム防止対策で一切の「改造(変更)」を出来なくしたかもしれないが、昔からメモリーの増設やHDDの交換・増設、HDD内部をパーティションで切り2ドライブ、3ドライブにして使うのを当たり前にしてきた者にとって、この程度の変更・改造すら禁止されるのは迷惑でさえある。

 こうした経験があるものだからデルのノートPCのバッテリー交換など思い付きもしなかった。ましてや外付けではなく内臓バッテリーだから、取り外しできないように作ってあると思い込んでいた。

◇デル製品は部品交換できる

 ところが、ある時、デルのノートPCのバッテリーを交換したというネット記事を目にした。ただその時は違法改造だろうと思った。交換バッテリーは純正品ではなく互換品だったからなおのことだ。

 それでも一応ネットでデルのバッテリーを調べてみると互換品だけでなく純正品も出てきた。といっても純正品の取り扱いはデルだけ。部品交換は可能だとしても、やはりメーカー以外では禁止に違いない。そう思ったが、念のためデルのホームページにアクセスし、サポートにメールとチャットで質問してみた。

 するとバッテリーだけの購入か、デルで交換するかと返信が来た。ということはユーザーが自分でバッテリー交換することが可能であり、デルはそれを認めているということだ。
 もちろん部品購入のみで、交換は自分でする方を選択。購入画面で、基礎知識、技術があるかみたいな質問項目があったが、デルのノートPCの裏ぶたを見ればネジは全て取り外せるようだったので、これなら簡単だと判断し、バッテリーだけ注文。価格は10,450円(税込み)。

 その2日後、宅配便で交換バッテリーが送られて来、さらに数日後、宅配便が旧バッテリーを引き取りに来た。
 実は注文時に「旧バッテリーは返送」のことと明記してあったのだが、メールを最後までよく読んでなかったので、この項を確認してなく、宅配便が突然、受け取りに来てビックリした。それと同時にデルの企業姿勢に感心した。

 ノートPCのバッテリーを交換した作業は写真付きで手順を載せているので、そちらで確認して下さい。
 HP http://www.liaison-q.com/kurino/Dellbattery1.html

 デルのノートPCはバッテリーだけでなくメモリー交換も自分でできるようになっているから、パソコンの動きが遅いと感じている人はメモリーの増設(4MB→8MBに、8MB→16MBに)に是非チャレンジを。


(著作権法に基づき、一切の無断引用・転載を禁止します)

トップページに戻る 栗野的視点INDEXに戻る