SIMフリースマホにしない手はない(U)
  
〜ビジネスピープルにお勧めはDSDSスマホ(1)


 2016年は新しいSIMフリースマートフォン(スマホ)が次々に発売されたこともあり、SIMフリースマホの販売台数が急伸した年だった。
 SIMフリースマホといえばかつては「格安スマホ」の名で呼ばれていたように価格の安さのみが取り柄で、機能はキャリアスマホの1世代、2世代前と見られていた。また、実際そうだったが。
 しかし、いまや最新機種やキャリアも取り扱ってない機種を独占的に取り扱っていたりし、キャリアのスマホと比較しても劣ることはない。
 取り扱い機種も幅広く、初心者向けの低価格のものからミドルレンジ(中級機)、ハイレベルの魅力的な機種まで数多くあり、SIMもデータ専用のものから通話も出来るものまでとプランも充実している。

デュアルSIM、デュアルスタンバイとは

 そんな中でもビジネスピープルにお勧めなのがデュアルSIM、デュアルスタンバイ(DSDS)のスマホだ。
 なぜビジネスピープルにお勧めかという理由は後述するとして、その前にデュアルSIM、デュアルスタンバイについて少し説明しておこう。
 デュアルとは2つという意味だからデュアルSIMはSIMが2つ挿せる(SIMスロットが2つある)ということだ。デュアルスタンバイは2つのSIMが同時に待ち受け可能という意味である。
 つまりDSDSスマホはデュアルSIMで同時待ち受けが出来るスマホということだが、重要なのは「デュアルスタンバイ(同時待ち受け)」が可能という部分。
 いままでもデュアルSIMのスマホは海外、特に中国やインドなどの新興国ではごく当たり前に使われていた。そして日本でも数年前から存在していたし、現在でも発売されている。ただ今までのデュアルSIMは2つある内の1つが2G対応だったため、国内ではシングルSIMとしてしか使えなかった。(2G、3G、4Gは通信規格のこと)

 2G、3G、4Gは何が違うのか。専門的な説明を省き簡単に言えば通信速度の違いである。数字が大きくなるに従って速度が速くなる。現在の日本ではLTEと呼ばれている4G回線が中心になっているが、海外ではまだ2G回線も広く使われている。そのため2つあるSIMスロットの一方は2G専用になっていることが多い。
 つまりデュアルSIMでも日本では2G専用スロットの方は使えない(日本で使えるのは3G、4G)から、せっかくデュアルSIMになっていても片方しか使えないシングルSIMと同じことで、日本国内でデュアルSIMのメリットを受けることはなかった。
 ところが新興国でも4G回線が普及しだしたということもあり、今年後半から両スロットとも3G、4G対応という機種が発売され始めたのだ。こうなると話が少し違ってくる。

デュアルSIMのメリット

 ではデュアルSIMだと何が便利で、何がメリットなのか。
実は私の最初のスマホはデュアルSIMだった。デュアルSIMのスマホが欲しくて買ったと言った方がいい。
 当時使っていた携帯端末はソフトバンクの従来型ケータイ。契約プランは2200円のかけ放題。従来型ケータイの魅力はこのかけ放題料金の安さである。それをスマホに替えた途端に端末代を含め毎月の支払料金が跳ね上がる。それが嫌で従来型ケータイを使い続けている人は多い。

 私はといえば、それまで使っていたソフトバンクのケータイを契約解除することなく、ケータイに入っているSIMを抜いて、そのままスマホの片方のSIMスロットに挿し、もう一方のSIMスロットに新たに購入したデータ専用SIMを挿して使っていたのだ。

 デュアルSIMの最大のメリットはこのように従来型のケータイを契約解除することなく、SIMを挿し替えるだけで使える、それも安いケータイ料金で使えるということだ。
 もちろん、全てのケータイでそれが可能というわけではない。例えばauのケータイは電波が対応していないため使えない。auに対応しているSIMフリースマホはマイネオなど一部のMVNO(Mobile Virtual Network Operatorの略、仮想移動体サービス事業者)が扱っているものだけで、ドコモ対応のスマホではまず使えない(一部の例外はあるが)と考えた方がいい。
 次にソフトバンクケータイだが、電波の帯域がドコモと似ていることがありSIMフリー各社のスマホでも使えることが多い。ただし完全対応かどうかはスマホが対応している電波帯域(バンド)を見ていく必要がある。
                                                (2)に続く



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