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続・ワクチン接種予約で感じたこと


栗野的視点(No.737)                   2021年5月28日
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続・ワクチン接種予約で感じたこと
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 前号ではワクチン接種予約はどこが取りやすいのかについて書いたが、今号は少し角度を変えて見ていきたい。

選択肢は3つ

 まず各人が最初に考えなければならないのはワクチン接種に対する態度で、それは次の3つに分かれるだろう。
 1.ワクチン接種を受ける
 2.ワクチンを接種しない
 3.しばらく様子を見てから決める

 とにかく今回のワクチンは急ごしらえで認可・製造しているから、実際のところ、どの程度効果があるのか、あるいは副反応についても正確なところは分かっていない。
 それだけにウイルスに感染するリスクと、ワクチンの副反応を含めた安全性に対するリスクを天秤にかけ、どちらのリスクを重視するかということに尽きる。

薄めたワクチン接種のミス

 ところが、ここに来て新たな問題が出てきた。集団接種会場での接種ミスの問題と、民間医療機関(かかりつけ医を含む)の接種終了の問題。
 まず前者。今回のワクチン接種は入念な事前準備をした上ではなく、急ごしらえ、急対応の接種だけに、実際に開始し出すと様々な混乱が生じている。

 まあ、少々待たされたなど多少のことは大目に見て我慢しなければならないだろうが、東京や福岡県久留米市の集団接種会場でのワクチン接種ミスは看過できない大問題だ。

 そもそもの問題はワクチンの数量不足で、少しでもムダにしないためと考えたのかも分からないが、生理食塩水で希釈した薄々のワクチンを6人に接種するミスが久留米市の集団接種会場で起きた。

 ファイザー製ワクチンは1瓶で6回分接種可能だが、そのためには特殊な注射器が必要で、それ以外の注射器では5回分しか接種できず、小瓶、あるいは注射器の中にわずかに残液が残る。

 この問題は今年2月段階で明らかになっており、厚労省は当初、1瓶で6回接種としていたが5回接種に変えて通知するとしていた。
 しかし、久留米市の集団接種会場で24日に行った接種で1瓶(6人分)残ったことが明らかになった。
 キャンセルが6人あったということではない。人数とワクチン量は合っているのに6回分のワクチンが残ったのだ。
 久留米市の説明によると「1瓶を生理食塩水で希釈し規定の6人に接種するが、残液をさらに希釈し、別の6人に使った可能性が高い」とのこと。

 ファイザー製ワクチンは原液を生理食塩水で希釈し、使用する仕様になっているが、瓶に残ったワクチンをさらに生理食塩水で薄めて6回分使ったということだ。少なくとも6人はとてもワクチンとは言えないほど薄い液を接種されたことになる。
 このことによる「健康への影響はない」と言うが、ワクチン接種の効果もない。「2回目の接種後に全員の抗体検査を実施し、必要な人に3回目の接種を行う」と言うが、ワクチン3回接種の影響は出ないと断言できるかどうか。
 こういうミスが起こると集団接種会場での接種を躊躇う人も出るだろう。

今後、接種を中止する医療機関も

 では民間医療機関での接種となるが、民間医療機関は接種予約をすでにストップしたところも出ている。
 実は昨日、久し振りに整形外科に行った。なんとなく脊柱管狭窄から来る足の軽い痺れみたいなものが来そうな予感がしていたので、早めの対策をと考えリハビリに行くことにしたのだ。

 その整形外科は今回のワクチン接種ができるクリニックだったが、入り口と受付のところに「ワクチン接種は7月の予約が完了しましたので、以後の予約は受けられません」と張り紙がされていた。
 そこで看護師に事情を尋ねると、次のような返答が返ってきた。
「うちも通常の診療をしながらワクチン対応をしていたのですが、結構大変で。それで一度7月で打ち切り、以後はまた考えようということに
「そう、通常業務に影響が出ているんだ」
「そうなんです。7月からは各区で集団接種も始まりますし、そちらにお願いして、当院としては一度ここで打ち切ることに。申し訳ないんですが」

 ファイザー製ワクチンは冷凍で配送されてくるし、医療機関は冷蔵庫の設置もしなければならないし、取り扱いにも注意が必要になるため、スタッフが少ない医療機関には負担が大きい。
 こうしたことからワクチン接種医療機関にならない所が多いところに持ってきて、これ以上の負担には耐えられないとワクチン接種を中止する民間医療機関が今後増えてくることも考えられる。
 そうなると、かかりつけ医でのワクチン接種はますます受けられなくなり、集団接種会場でのみになるかもしれない。
 日本医師会も政治資金パーティーや自分たちの利益のことばかり考えるのではなく、傘下の医療機関にワクチン接種に協力するような働きかけをするなどの活動をしたらどうかと思うが、中川会長は高級料理の方にしか関心がないか。


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