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 「機械代を出してもいいからやってくれ」
 某大手メーカーにそう言われた竹田鉄工所


株式会社竹田鉄工所
岡山県備前市穂波字新田2354−2
tel 0869-67-2130
http://takeda-tekko.co.jp/

国内最大級の風力発電装置を
支えている竹田鉄工所の技術


 2006年1月、翼径(翼回転部分の直径)92m、出力2400kw、国内最大級の風力発電装置が三菱重工横浜製作所金沢工場に設置された。
 地球温暖化で、二酸化炭素を排出する化石燃料の代わりにクリーンなエネルギーが求められているが、なかでも国際的に需要が高いのが大型風力発電装置。三菱重工は2400kwの大型風力発電装置900台、1000kw風力発電装置898台を受注するなど、地球温暖化防止という追い風を受け、生産が追い付かない状態が続いているようだ。

 ところで、この大型風力発電装置を陰で支えているのが岡山県備前市にある(株)竹田鉄工所の技術である。同社が行っているのは風車の翼を取り付けているローターヘッドの製造加工。備前市東片上の新工場
 風車は風を受けて優雅に回っているように見えるが、2400kwの大型風力発電装置ともなれば翼1枚の重さは約10t、1分間に翼が15回転した場合、先端の速度は新幹線並みの時速約260kmにも達する。こうした重量や翼に加わる圧力をローターヘッドで支えているのである。しかも風力発電装置は一度設置すると、簡単に取り替えたり修理することができない。それだけにメンテナンスフリーの頑丈さと高い加工精度が要求される。

 「三菱さんから機械代を出してもいいからやってくれ、と言われました」
 巨大なローターヘッドを前にそう説明する竹田喬二社長の顔はちょぴり誇らしげだった。
 従来も1000kw用のローターヘッドは月に7〜8台生産していたが、それに加えて2400kw用のものを月に3〜4台のペースで生産してくれないかというのが三菱重工の要望。それに応えるには現在の設備では対応できない。より大きくて、高性能な機械を導入する必要があったが、そのための設備投資をどうするかで悩んでいた。そんな竹田の様子を見て察したのだろう、三菱重工の側から「機械代を出してもいいからやってくれ」と言ってきたのだ。風力発電装置国内トップメーカーの三菱重工にそこまで言わせたのである。竹田鉄工所の技術が一目置かれているのは間違いない。

「よそにできて、うちにできないものはない。
竹田の部品は壊れない」というのが自慢


 同社の技術に一目置いているのはなにも三菱重工だけではない。ヤンマーもIHIも三菱マテリアルもそうだ。
 ヤンマーは船舶エンジン関係で「機械を払い下げるから、やってくれ」と言ったし、IHIと三菱は「電子制御式の燃料噴射エンジンを国産化したい。竹田、やってくれないか」と言っている。
 いずれも日本を代表するメーカーばかりである。それらの企業がそこまで竹田鉄工所を買う理由はどこにあるのか。その素朴な疑問を社長の竹田に直接ぶつけてみた。
竹田喬二社長 「難しい加工をするところがほかになかったということではないでしょうか」
 竹田ははにかみながらそう答えた。そして「よそにできて、うちにできないものは一切ありません」と続けた。
 「竹田鉄工所の部品は壊れない、という声は以前からよく頂いていたようです」
 控え目ながらもこれらの言葉に同社の技術力と品質に対する自信が窺える。

 同社が取引先から高く評価されているもう一つの点は「納期厳守」の姿勢だろう。
 例えば昭和60年の大晦日のことである。今日中に何とかしなければ正月元旦、四国全体の電力がストップするという非常事態に直面したが、その時、同社は突貫修理を行い、正月の停電という最悪の事態を免れ大いに感謝された経験がある。このようにどんなに厳しい納期でも同社は守ってきた。そうした姿勢が「竹田ならなんとかしてくれる」という信頼感を取引先各社に生んだのは間違いないだろう。
                                                 (2)に続く

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