「成長する企業はココが違う!」と題して講演した内容の概略を以下に紹介する。
取材を通していままで数多くの企業を見てきたが、成長する企業と、そうでない企業の間にはどうやらある種の境界があるように感じる。ハードルと言い換えてもいいかもしれない。それを乗り越えられるかどうかが成長するかどうかの分かれ道になっている。
では、その境界とは何なのか。
1.ノー(できない)と言わない。
これは企業に限ることではなく、社員(技術系、非技術系、営業職を問わず)も同じで、仕事ができない人間に限って二言目には「不可能です」「できません」と言う。
「ノー」と言った瞬間、すべての可能性に対して自ら門戸を閉ざすことだが、こういう人はそのことに気付かない。
逆に、成長している企業は1回のチャンスをものにしようとするから、チャレンジし、どうしたらできるかを考えている。
九州の例:日南家具工芸社(宮崎県日南市)
2.不可能にチャレンジする。
1の「ノーと言わない」と似ているが、不可能といわれたことにチャレンジし、結果として不可能を可能にしている。
1と比べるとこちらの方が持続性、エネルギー、思い、ともにはるかに強いものが要求され、それらを持ち得た企業のみが、不可能と思われたことを可能にしている。
例えばウオークマンを開発したソニー
痛くない注射針を作った岡野工業
非接触搬送装置を開発した第一施設工業(福岡市)
3.ソニー型より松下型
最近の科学研究の結果、性格を形成する遺伝子にL型、S型があることが分かってきた。
L型遺伝子:革新的で、明るく、いい加減な性格を作る
S型遺伝子:保守的で、暗く、いい加減なことを嫌う性格を作る
この遺伝子の組み合わせ、例えばLL型、LS型、SS型と分かれるが、L型遺伝子を多く持つ犬は攻撃的なことが知られている。
欧米人の多くはL型遺伝子(俗にいうイケイケ遺伝子)を持っているが、日本人は少ない。
アメリカ:L型遺伝子を持っている人30%−−ベンチャー向き
日本:1.8%しかいない−−ベンチャー不向きだが、組織的な強さ
遺伝子型から見ると、日本企業にはイケイケ的なソニー型より、マーケットを見極めて行けると踏んでから進む松下型の方が向いている。
「九州型成長企業」とは
1.九州男児型
虚勢を張るタイプ
九州外に対しては、外から見られる「九州男児」のイメージを自ら演じる。
実体は優柔不断で女々しい
九州外のイメージと実体の乖離を上手に利用したビジネスが成功
活躍している通販業者は九州が多い
実体(会社所在地、規模、資本金)に関係なくビジネスができる無店舗販売が強い
2.技術系企業・製造業に多いコツコツ型
10年、20年コツコツやってきて、ある時花開く企業が多い。
いわゆる農耕型で、時代を読む目は弱い−−マーケティング志向が加われば成長
技術の横展開が弱い
3.屈辱・コンプレックスをバネにするタイプ
九州には珍しいタイプ
代表例:第一施設工業、テクニカル電子
このタイプは強烈なハングリー精神が原動力になっているので、それがなくなると成長が止まる。
4.他人のやらないことを先にやるタイプ
これも九州には珍しいタイプ
日本で最初に24時間営業のスーパーセンターを作ったマキオ(鹿児島県阿久根市)
データーを元に何年もかけて当時の通産省を説得し、24時間営業を認めさせた。
夜9時〜翌朝7時の売り上げが1日の30%
片道100円の送迎バスの運行や、購入商品を玄関まで運ぶサービスを実施
AZあくね、AZかわなべ、AZはやと(09年3月オープン)に続き、鹿児島県大崎町、宮崎県高原町に5号店オープン予定
リスク要因は?
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