政治家は顔がすべてを物語る。(2)


 さて菅氏である。私は当初から彼の目が嫌いだった。ぞっとするような冷たさを感じる。爬虫類の目である。国民に寄り添う政策など、あの目をした人物に期待すべくもないが、その通りになった。
 菅氏の撤退により、次期総裁候補が我も我もと立候補したり、立候補する意欲を見せているが、顔相からいえば石破氏はよくない。以前から気になっていたが、彼は三白眼をしている。一見、正論を言っているように受け止められているが、あの眼は冷たい印象を相手に与える。だからなのか彼の派閥(?)に集まる人は少ない。そのことが総裁選で勝てない一つの要因にもなっている。

 それだけでなく裏表もありそうだ。二階氏を批判しながら、今回の総裁選では二階氏の所に協力を要請しに行っている。自派閥だけでは20人の推薦人を確保できないので、二階派から数人なのか10人近くなのか分からないが推薦人を出して欲しいとお願いしたみたいだ。
 不足数が数人なのか7、8人なのかで先方の対応が変わるのは当然だが、どうも自派内もまとめきれていないようで、それでは人数を貸そうという気にはならないだろう。
 最も基本的なことは二階氏に協力を頼むということは彼の傀儡になる危険性がある(控えめに言って)ということで、この一事からして彼の行動は矛盾しており党員の支持も失うのではないか。

 言行不一致という点では候補者の中でこの人に右に出る者はいないと思われるのが河野氏だ。脱原発を言っていたかと思えば即廃止ではないと言い、再稼働の可能性さえ匂わせている。
 記者会見でも気に入らない質問に答えないところは菅氏そっくりだし、嫌な質問はスルーして「次の方どうぞ、次の方どうぞ」という姿勢は国のトップとして最もふさわしくない。
 不都合な質問に答えない姿勢は隠蔽体質につながる。それでは安倍政権から続く体質そのものではないか。下唇が突き出た顔相もあまりよいとはいない。

 高市候補の目も菅氏と同じ感じを受ける。ただ、菅氏のような表情がない目ではなく、強い権力志向を感じさせる目である。

 では野党はどうか。立憲民主党の枝野氏の顔を見る度にロボットを想像させるのはなぜだろう。無表情というわけではないが、表情の動きが少ないところにもってきて口、それも下顎だけが上下して喋る様がロボットを想起させるのだろう。あまり人間味がある顔相とは言えず、そのため、この人に任せて安心という感じを見る方に感じさせない。

 まあ、政治家には一癖も二癖もあるぐらいが気骨があっていい、という見方もあるが、最近の政治家は概して可もなく不可もなしという没個性的な顔をした政治家ばかりではないか。
 情熱的な喋り方をするのはれいわ新選組の山本太郎氏ぐらいか。あ、そう言えば麻生氏も河野氏も太郎で三太郎か。三太郎はauの専売特許ではなかった。

 それにしてもこのところのメディア報道は政局ばかり。そういう角度の取り上げ方が面白く、視聴率を稼げるのかもしれないが、マスメディアは組織力もあるのだから政局ではなく政治を語って欲しいものだ。
 一体この国の行く末はどうなるのかーー。



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