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ゴーストタウン化しつつあるホークスタウンモール(2)


 どこの商業施設でもテナントの入退去はごく普通に行われているし、施設側からすればいかに魅力的なテナントを入居させていくかが、商業施設全体の魅力を保ち、集客力アップに繋げていく方策である。そのため売り上げが悪いテナントは早めに入れ替えた方がいい。
 しかし、同モールのようにここまでテナントが撤退しているのは施設側の意向ではなく、テナント側の撤退意向にほぼ間違いないだろう。
 問題はこの後、同モールへの入居テナントが増え、ゴーストタウン化が阻止できるかどうかだ。

 ここで注目したいのが「影響シェア」という考え方だ。ある集団とか場、市場でどの程度のシェアになれば、他に影響を与えることができるのかということだが、その比率は7〜11%と言われている。大体1割前後と見ていいだろう。
 同モールの場合、1階は全て埋まっていると仮定しても、約25%が空き(撤退)スペースである。ということは撤退という動きが影響力を持つのは約10%で、すでにその比率を大幅に超えており、今後はいままで様子見だったテナントの撤退が加速していくと思われる。
 逆に施設側にすれば空きスペースを7%以下にまで縮小できれば影響シェアはなくなり、ゴーストタウン化を食い止めることができるだろう。

 さて私の予測は、同モールのゴーストタウン化は阻止できない。少なくとも2階は完全閉鎖になるのではないか。2階で大きなスペースはユナイテッド・シネマ福岡とナムコ・ワンダーパーク、それにHKT48劇場しかない。因みに私が観た映画の入場者はわずかに3人だった。「随分、人が少ないね」とチケット売り場の人に声を掛けると「はい、平日は本当に少ないです」と諦め顔で返ってきた。明らかに採算ペースを割っているはずだ。これではシネマの撤退も時間の問題かもしれない。もし、そうなれば、それが契機で2階閉鎖に動くのではないだろうか。

 私はこの1、2年、「パラダイムのシフトが必要」と折に触れ書いてきたが、いまますますその感を強くしている。大量生産・大量消費を前提にした考えは改めるべきだ。
 すでに少量生産、小消費の時代が始まっている。

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