「Go toキャンペーン」は喜ぶだけでいいのか。(2)
〜タダ同然になった民宿料金


「Go to」は高級宿ほど恩恵

 やっと暑い夏も少し涼しくなってきたので帰福することにし、迎えに来たパートナーと島根県で2泊しながら福岡へ帰ることにした。
 いつものように予約サイトで予約をすると「Go toトラベル」で35%の割り引きが自動的に適用された価格が表示される。それを見るとたしかに安い。これなら1ランクアップのプランで予約してもいい、と思わせるに十分だし、実際そうする旅行者が多く、手頃な価格帯の宿泊所より、ちょっと高級な所の方に客が集中しているという話も聞いた。

 私が予約したのは連休明けの平日だったので、温泉宿は空いているだろうという予想だった。そこで着くなり出迎えの中居さんに尋ねると「お陰様で今日もほぼ満室状態です」という返事が返ってきた。
「平日なのに?」
「はい、一時はどうなるかと心配していましたが、Go toトラベルのお陰で連日満室で助かっています」
 その言葉通りロビーにはチェックインの客が予想以上にいたのにはちょっとビックリ。なんだかんだと言っても皆余裕があるのだ、と思ってしまった。

 ホテルの従業員が皆マスク姿なのはいいが、宿泊客も皆マスク姿で館内を歩いている様子を見て、日本人は「右向け右」で一斉に右を向く習性が身についていると感じ、多少薄気味悪ささえ覚えたのは私だけかもしれない。

タダ同然になった民宿料金

 翌日は津和野に向けて走った。2日目の宿泊地を津和野にした理由は吉賀町の彼岸花群生地の近くだからで、宿は町内の民宿。
 民宿とはいえ各部屋はビジネスホテル風とまではいかないが、鍵もかかる個室になっていた。風呂は家庭風呂を少し大きくした程度だったが、その日は他に客はなくて貸し切り状態。「Go toトラベル」は低価格宿には効果がないのかと思ったが、「連休中は満室でした」と言われたから「Go to」の影響はあったようだ。

 そこは旅行サイトから予約し、事前決済を済ませていたが、宿泊料がGo toキャンペーンを利用して2人で10,200円程度。
 ところが部屋に案内した女将が6,000円の地域クーポンをくれたのだ。「町内の店で使えますから。お土産品でも、ガソリンにでも使えます。ただし、お釣りはくれませんから、その点だけ注意してください」と。
 宿泊費10,000円余りで6,000円の地域クーポンを貰えば、感覚的には「ほとんどタダ」に近い金額で泊まったのと同じになる
6,000円余りで、6,000円の地域クーポンを貰えば「ほとんどタダ」で泊まったのと同じになる。
 その時、矢掛町で言われた「ほとんどタダで泊まれる」という意味がやっと分かった。しかも夕食時に頼んだビール中瓶代を翌朝チェックアウト時に払おうとしたら「ビールはサービスします」と言われ、こちらは恐縮しきり。因みに地域クーポンは給油に4,000円、土産物で2,000円使った。
                                              (3)に続く

PREMOA(プレモア)


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