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第一生命のCMに出てくる駅は(後)


 このCM、結構人気があるみたいで、最近、私のフォトエッセイブログ「栗野的風景」のアクセス数が飛躍的に増えている。実はそのことに気付かず、アクセス数が増えているのは節分草の写真や、雛人形の写真を載せているからだろうと思っていた。
 ところがアクセス解析をしてみると、見られているのは「第一生命のCMに出てくる駅」のページが圧倒的に多かったのだ。あのCMの駅はどこだ、と探していた人が多いということだろう。

 岡山県北は面白いエリアで、私は非常に気に入っている。といっても、そのことに気付いたのはここ数年だが。
 中国山脈の両裾野は交通アクセスの悪さも手伝い、近代産業化と開発の波に取り残された地域である。そのため古い町並みが往時の姿を留めたまま残っていたり、歴史的遺産がひっそりと点在している。
 20世紀には前時代の遺物と見なされ、時代に取り残されていたそれらが、21世紀では2周遅れ(1周遅れではなく)のトップランナーである。開発が手付かずだったことが幸いした。もし中途半端に開発の手が入っていたら、どの時代にも見向きもされず、人々の記憶の中にだけひっそりと、いや記憶にさえ残らなかったかも分からない。

 岡山県美咲町の片上鉄道(前出ブログの2012年1月22日付「地方を旅する面白さ・岡山県美咲町−片上鉄道」参照)は柵原(やなはら)鉱山で採掘された鉱石を鉱山から船着場まで運ぶための鉄道だったが、平成3年に廃線になった。しかし、駅舎と線路の一部は柵原ふれあい鉱山公園にそのまま保存されているだけでなく、現在は毎月第1日曜日に展示運転も行われており、実際に客を乗せ走るから鉄道ファンだけでなく、誰もが昭和の時代にタイムスリップでき人気のようだ。

 2011年9月に放映されたTVドラマ「砂の器」に出てくる羽後亀田駅、山中駅、勝沼駅のシーンは片上鉄道・吉ヶ原駅で撮影された場面が使われている。
 このような場所・箇所が中国山脈の両裾野には結構残っており、今後さらに注目されると思うが、観光地化されてしまうと俗っぽくなるのが心配だ。

 このように岡山県北の地は自然環境はいいが、そのことが人間形成、人格形成に影響しているわけではなさそうだ。例えば姫新線(の中でも津山以東)は通学列車の様相を呈しているが、中高校生の乗車マナーは最低だ。
 大事なのは学力より知力、思考力、善悪の判断力などだが、沿線の学校ではマナー教育をしてないのだろうか。教育する先生のマナー、大人のマナーが最低だから、生徒にマナー教育をしろという方が無理かも分からないが。
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