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法が軽んじられるのは危険な時代(2)


 命はひとつ 人生は1回
 だから 命をすてないようにネ
 あわてると つい フラフラと
 御国のためなのと 言われるとネ
 青くなって しりごみなさい
 にげなさい かくれなさい



 加川良作詞作曲の「教訓1」の歌詞だ。歌われたのは1970年。同時代にこの歌を聞いたわけではない。当時の私はフォークソングともビートルズとも、ついでに言えば麻雀とも無縁な生活だった。
 この歌を初めて耳にしたのはずっと後。フォークソング特集CDセットの中に入っていたのを聞いて初めて、当時こんな歌が歌われていたのかと思ったものだが、最近の歌だと言われてもおかしくない。それほど内容がいまの時代をも言い当てている。
 2番以下の歌詞も紹介してみよう。


 御国は俺達 死んだとて
 ずっと後まで 残りますヨネ
 失礼しましたで 終るだけ
 命の スペアは ありませんヨ
 青くなって しりごみなさい
 にげなさい かくれなさい

 命をすてて 男になれと
 言われた時には ふるえましょうヨネ
 そうよ 私しゃ 私しゃ 女で結構
 女のくさったので かまいませんよ
 青くなって しりごみなさい
 にげなさい かくれなさい

 死んで神様と 言われるよりも
 生きてバカだと いわれましょうヨネ
 きれいごと ならべられた時も
 この命を すてないようにネ
 青くなって しりごみなさい
 にげなさい かくれなさい



 この歌を聞けば、前出の衆院議員、武藤貴也「先生」はまたまた怒るに違いない。「戦争に行きたくないだけじゃん」と。
 そう、戦争には行きたくないんです。戦争は二度としたくないんです。戦争に行って人を殺すぐらいなら、「女の腐った奴」と言われても構わないから、青くなって尻込みし、逃げましょう、隠れましょう、とは、なんとも痛快。60年代後半に学生時代を過ごした私には当時そんな発想はなく、ひたすら権力に立ち向かって行ったものだが、パワー衝突はさらならパワーを生み、どちらかが倒れるまで続く。
 今の時代、パワー衝突を繰り返せば国どころか、この星そのものが滅びる。難しくてもパワーに頼らない解決方法を根気よく探り、そのための方策を取り続けることこそが大事だろう。
 日本国憲法は「戦争の放棄」「戦力の不保持」「交戦権の否認」を掲げた、世界に誇るべき憲法。平和を志向し、世界を平和に導く21世紀の憲法と言っても決して過言ではないだろう。

 昔から勇ましい話、極端な話には注意しろと言う。例えば原発。ついこの間まで、原発反対を口にすれば必ずと言っていいほど言われたのが「電気のない江戸時代の生活に戻れるのか」だ。ところが、一瞬とはいえ全原発がストップしたことがあったが、停電すらおきなかったし、その後も電力不足は起きていない。
 用心したいのは、ある条件下ではありえる、おこりえるかもしれないことを、前提条件を外した上で、ありうる、おこりうると言い張ることだ。
 こうした主張に騙されてはいけない。
立ち止まり、ゆっくり考えてみようではないか。
安全保障とは何なのか。
なぜ、いま安保関連法案の可決が急がれているのか。

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