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「激変するマーケットニーズとパワーアップする産学連携」
 

 12月2日、岡山県工業技術センター主催のセミナーで中小企業の経営者を対象に「激変するマーケットニーズとパワーアップする産学連携」と題して講演した。

 今回のポイントは2つ。
1つはマーケットの動きが年々急になり、常に情報を取得し、マーケットの動向を見ておかないと商品開発に遅れを取るばかりか、市場そのものを失う事もあるという点。

 その具体例として日本一の製品を開発し売れ続いたが、ユーザーである国内大手メーカー各社が相次いで海外に工場を移転したため、3年後に国内市場がゼロになった例を紹介した。

 もう1つの具体例は2004年秋にオリンパスが発売したデジタル一眼レフカメラ「E300」。
革新的な技術を盛り込み、カメラのデザインもそれまでの一眼レフの常識を破った形だったが、ユーザーニーズを読み間違えたばかりに、売れなかった話をした。

 以上の2例は製造業が陥りやすい技術偏重主義の失敗であり、いかに市場の動向を見ながら、マーケットニーズを的確に把握し、商品開発をしていくことこそが重要ということを示している。

 中小企業の中にはいまだ「モノづくり神話」が色濃く残り、いいものを作れば売れると思っている人がおおい。
 また、自社は下請けだから親会社や発注元の言われるままにきちんと作っておけばいいという経営者もいるが、いまはもうそんな時代ではない。

 昨今は大手企業ほど事業の再編成・合併をドラスチックに行っている時代だけに、発注元がいつ合併再編で変わるかもしれない。
極端なことをいえば明日、仕事の発注がなくなる可能性さえある。

また発注元も指示通りに作るだけでなく、提案を求めていることもある。

そして大事なのは末端ユーザーや消費者が完成品をどのように使っているのか、どういうシーンで使っているのか、使い勝手の感想はどうなのか、そういう情報を仕入れながら、部品といえども作っていくことが大事、というような話が前半。



 後半はパワーアップする産学連携とはどういうものかについて話した。

タイトルを「産学連携でパワーアップ」ではなく「パワーアップする産学連携」としたのは意味がある。

ただ単に産学連携すればなんとかなるだろうと行政も含めて考えがちだが、産学連携にはパワーアップするものもあれば、逆にパワーダウンするものもあるからだ。

同じ連携をするならパワーアップする連携でなければ意味がない。

では、パワーアップする連携とはどういうものか、ということを熱心に説いた。