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「リエゾン九州」設立の背景1

 リエゾンとはフランス語で「橋渡し」「懸け橋」を意味する言葉で英語表記では
liaison(リエゾンと発音)となります。
 なぜ、会の名称に「リエゾン九州」とネーミングしたのかといえば、九州のベン
チャー企業・中小企業の商品をマーケットに「橋渡し」したいと考えたからです。
 そこで、いまから5年半前の1998年7月、たまたま私の事務所(当時は中央区今
泉)に集まった仲間10数人に私の考えを話し、協力をお願いしました。
 また後程、詳しく説明しますが、活動の基本は「企業版勝手連」、精神はGive &
Giveというのが私の考えでした。つまりボランティア精神です。ただ、ボランティア
といえば無料報酬とよく勘違いされますが、ボランティアという語は本来、「自主参加」という意味で、ボランティア=無料報酬ではなく、報酬を期待してする活動のことではないということです。助け合いの精神です。

 なぜ、私がこの考えに立ったかと言えば、バブル期の反省からでした。
バブル期の日本を支配した行動原理はTake & Takeでした。とにかく相手から取る
(Take)ことばかりで、与えようとしないのです。英語にはGive & Takeという言葉がありますが、Take & Giveという言葉も、ましてやTake & Takeという言葉はありません。飽くまでGiveが先なのです。日本語には先義後利といういい言葉が昔からあります。
 これは余談ですが、異業種交流がうまくいかないのはTake & Giveを考えている
からです。
 何かうまい話があれば乗ろう、という姿勢で参加しているものだから、積極的に
自社の内容や情報を開示しません。互いに相手の出方を待っているわけです。
ズルイというか、受け身です。
 人の交流はすべからくGive & Takeであるべきです。いわんや技術の交流は。
いずれにしろTake & Giveの考えで臨んでいるから、異業種交流会で2つ目の商品
が開発されたという話は聞いたことがありません。それでも1つの商品開発が出来
ているのは補助金が出るからで、それもなければ恐らく皆無のはずです。

 話を元に戻しましょう。
バブル崩壊後の不況から脱出するには中小企業を元気にするしかないと考えました。
幸いなことに真面目な技術系の中小企業はバブル期にそれほどチヤホヤされなかった代わりに、バブル崩壊後の落ち込みもあまり大きくはなかったのです。
 しかも、九州には探せば「キラリと光る技術」を持った中小企業が存在している
ことを、私は20数年間の取材を通じて知っていました。
それと同時に、それらの企業にはあまり光が当たらないことも・・・。
これらの企業の技術を紹介することで技術交流を促す一助にしたい、
そう考えて一般経済誌で「九州テクテク物語」と題して、九州の技術をシリーズで
紹介し始めたのが1994年春からです。
 シリーズ1回目には「九州のテクノロジーに未来はあるか」と題して概論を展開
しました。これはホームページにも掲載しているのでご覧下さい。

 技術は持っているが荒削り。
 製品は作っているが商品にまでなってない。
 モノを作った後で販路を考えている。
 消費者・ユーザーの視点が欠落している。
 あちこちで似たようなものをつくり、互いに得意になっているが、情報交換が出
  来れば開発のムダが省ける。
 資金不足

 これが九州の中小企業の現実です。
最後の資金の問題は私にはどうしようもありませんが、それ以外の点はなんとか対応できるのではないか。そう考えました。
私個人でさえ部分的にはアドバイスをしたりできているのですから、もっとマーケ
ットの近くにいる人間を集めれば、つまり10人集まれば今の10倍のアドバイスが出
来るではないか、と考えたのです。

 



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