2月2日、天神地下街が南へ230m延伸した部分がオープンし、翌3日には地下鉄七隈線も開業し、地下街は大賑わいだった。
さて、新地下街の開通で何が変わり、何が変わらなかったのか。
まず新地下街と旧地下街を比較しておこう(便宜上、以前からの地下街を旧地下街、延伸した部分を新地下街と記す)。
ハード面で大きく変わったのは2点。
1.通路を歩きやすくした。
天神地下街は19世紀ヨーロッパの街並みをイメージしたとかで、照明を落とし落ち着いた雰囲気を演出(その実、暗く感じの悪い地下街になった)し、歩道はデコボコのレンガ敷きにした。そのためハイヒールでは歩きにくく、また靴も傷むと悪評紛々だった。
落ち着いた雰囲気の演出とはいうが、犯罪が起こりそうな暗いイメージになり、実際、1、2年前から地下街での恐喝等の犯罪が増えている。
こうした反省に立ったのだろう、全体的には旧地下街のイメージを踏襲しながらも、まず不評だったデコボコのレンガ敷きを廃止し、歩きやすくした。
2.圧迫感をなくした。
旧地下街は暗い上に天井が低くため、重苦しい圧迫感があったが、新地下街ではこの2点を排し、全体的に明るくしている。
イ)まず、照明は格段に明るくなっている。
これは通路の照明だけでなく店内の照明も明るくなっているため、かなり明るくなったという実感。
照明を明るくすることで商品の見栄えはよくなるから、ファッション関係の商品は売り上げが上がるはずである(もちろん落ち着いた照明の方が売り上げが上がる商品もある)。
いずれにしろ、明るい地下街の方が人は集まる。
ロ)次に、天井を少し高くした。
天井をドーム型にして少しでも高く感じさせるようにしている。
本当は実際の天井丈をもっと高くして欲しかったが、旧地下街との連続性の関係でそうもいかなかったのだろう。
実際、旧地下街と新地下街の境目の辺りはかなりの傾斜が付いており、新地下街入り口辺りのショップは間口の両端で15〜20cmの高低差がある。
新地下街のウリは九州初上陸の25ブランドを含め53店が出店していることだが、これが天神全体の魅力を高め、地下街の売り上げ増になるかどうか。
結論から言うと難しいだろう。
理由は新地下街の出店店舗の大半が20ー30代の若い女性向けだということ。
福岡の人は新しもの好きだから最初は物見遊山にどっと繰り出すが、熱しやすく冷めやすい行動パターンであり、長続きはしない。
またターゲット層からして地下街全体の売り上げアップにはつながらないだろう。
ただ、地下街の通行客数は間違いなく増える。
特に寒い日や暑い夏日、雨の日には間違いなく通行客が増える。
回遊性が高まったのも事実だ。
しかし、地下鉄七隈線が当初見込みの11万人/1日を大きく割り、初日の乗客数は7万4,000人しかなかった。
初日でこの人数だから、今後この人数を上回ることはまず考えられない。
となると新地下鉄線オープンの経済効果もそれ程は見込めないということだ。
次に、天神のデパートへの影響だが、それは次回に触れる。
05.02.16
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