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ベンチャー・中小は信長の戦略を見習おう(2)」


既成観念にとらわれない斬新な方法

 織田軍が強かった秘密は兵役制度の違いにもある。
旧来型の軍事組織は武田軍に代表される兵農一致組織である。平時は農業に従事しているが、いざ戦いという時には武器を持ち兵に変わる。いま考えると合理的な組織で、平時が中心の時はこの組織形態の方がいい。ところが乱世で、戦が多い時代では、この組織形態がマイナスになる。
 それまで戦は農繁期には行われなかった。兵が農作業のことが気になり、戦どころではなくなるからだ。これは中国でも同じで、農繁期には兵が一人欠け二人欠けで戦にならなかった。だから戦を始める時は農閑期である。それを信長は改革し、兵農を分離、いまでいう職業軍人制度を導入することで、農作業を気にすることなく、いつでも戦えるようにしたのだ。

 組織改革をすることで常勝した人物はほかにもいる。ナポレオンである。彼はそれまでの傭兵(職業軍人)制を徴兵制に変えることで、大量動員を可能にした。結果、数に勝るフランス軍は勝ち続けることができたのだ。
 ベンチャー・中小企業に必要なのはこのように既成観念に捕らわれず、状況に応じて組織形態も変化させる柔軟な姿勢だろう。

 信長の南蛮好きはよく知られているが、もともとは唐物好きだった。唐物好きが転じて南蛮好きになったといった方がいいだろう。
 安土城の「天主閣」は中国の楼閣を真似たものらしいが、信長は早くから海外の情報を積極的に収集し、様々な局面で取り入れていた。
 いわんや今は24時間休むことなく情報が駆け巡っている時代。情報を素早く入手し、的確に判断することが求められている。情報を掴み損ねたばかりに会社の経営がおかしくなるということはままある話。かといって、情報ばかりを追い掛け、情報に振り回されたのでは逆効果。
必要なのは精度のいい情報を、素早く入手すること。

 精度のいい情報を入手する方法?
それはまた別の機会に。
ただ、一言だけ言うと、情報もGive & Takeの世界。いい情報を入手しようと思えば、いい情報を発信すべきだ。他人から貰うことばかり考えている人の所には決していい情報は集まらない。


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