今ベンチャー支援で欠けているもの
第3次ベンチャーブームと言われてすでに4年がたつ。第3次を通り越して、いまは第4次ベンチャー“支援”ブームと、半ば自嘲気味な声さえ聞こえてくる。いずれにしろブームと言われるからには、雨後のタケノコとまでは言わないにしても、もう少し各地で元気のいいベンチャー企業が育ってもよさそうなものだ。だが、現実はその逆で、ほとんど育ってないと言った方がよさそうだ。では、なぜ有望なベンチャー企業が育たないのか。小渕首相は秋の臨時国会を「中小企業国会」と位置付け、「競争力のある中小企業・ベンチャー企業」を育成するため、様々なベンチャー企業支援策を打ち出した。本当にこれでベンチャー企業が育つだろうか。しかし、中小企業・ベンチャーの現場を見る限り、今後飛躍的にベンチャー企業が育つとは思われない。特に九州の現状はお寒い限りだ。なぜ、九州ではベンチャーが育たないのか。どうすれば育つのか。
資金調達がベンチャーの最大課題
債務保証制度はキャピタルのため?
「今のような状況でベンチャーなど育つはずがない」。あるベンチャー経営者は憤懣やる方ないと言わんばかりの口調で怒りをぶちまけてきた。
「ベンチャーが一番必要としているのは資金ですよ。それなのに資金面での支援がない。これでは倒産するしか方法がないですよ。口先だけでなく、本当にベンチャーを育てるつもりがあるのか。とてもあるとは思えない」
と息巻く。
これには正直驚いた。なぜなら、1996年から始まった第3次ベンチャーブームは、第2次ベンチャーブームの直後にベンチャーの倒産が相次いだことを反省し、資金面でのサポート体制の整備を最初に行ってきたからだ。各道府県にベンチャー財団(例えば福岡県では福岡県産業・科学技術振興財団)を設立し、ベンチャーキャピタル(VC)がベンチャーに投資しやすいように、ベンチャー企業が発行する社債引受額の70%を財団が債務保証しているのもその一つである。VCにすれば仮に投資先ベンチャーが倒産してもリスクは30%で済むわけだ。98年11月30日に自己破産したアニマ電子は1億円の社債発行をしていたが、そのうち7,000万円は福岡県が債務保証したため、VCの投資リスクはわずか3,000万円で済んでいる。
本来、ハイリスク・ハイリターンが当たり前のベンチャー投資がローリスクの安全パイに変わったのだから、ベンチャー企業に対するVCの投資は激増してもよかったが、現実には、相変わらずベンチャー企業は資金不足で倒産の危機に瀕しているというわけだ。
なぜなのか。実はこの債務保証制度、ベンチャーを助けるという表向きの理由とは別に、VCを甘やかすだけに終わっている。VCにすればリスク負担が減るわけだから、当然、ベンチャーの発掘眼、選別眼が鈍ってくる。投資先を探して現場を踏むのではなく、行政の発表を待っていればいいという待ちの姿勢に変わるからだ。
ローテクには見向きもしないジャフコ
地場キャピタルも頼みにならない
しかし、ベンチャープラザなどには必ずVCが出席しているのを見ても分かるように、VCが投資先を探しているのは間違いない。それなのに、なぜ資金不足に泣くベンチャーがいるのか。VCに存在を知られてないのではないかと考え、件の経営者に「自己PR不足なのではないか。VCを紹介しましょうか」と持ち掛けると、とんでもないという顔をして次のような言葉を返してきた。
「ジャフコですか? ジャフコは来るといきなり『うちはローテクベンチャーには投資しない』とはっきり言いましたよ。VCはソフトウエアなどの元手がかからないベンチャーには投資したがるんです。だから、ブームに乗っているところには金が流れるが、それ以外の所には金が流れない仕組みになっているんです」
と手厳しい。
たしかにジャフコは急成長の可能性がある技術系ベンチャーには投資するが、流通業などの非技術系ベンチャーには見向きもしない。多少、彼らのために弁護しておけば、ジャフコも5、6人で九州をカバーしているわけで、そのためには投資先ターゲットを絞り込まざるをえないというのが実状だろう。そのほかの理由については後で触れることにする。
さて、日本最大規模のVC、ジャフコが見向きもしないからといっても、ほかにVCが存在しないわけではない。九州の主な地銀は大体キャピタル系の子会社を抱えている。例えば福岡シティ銀行は九州キャピタルを、佐賀銀行は佐銀ベンチャーをといった具合だ。これらの地場金融系キャピタルは地場のベンチャー企業に対する投資意欲は高い。
ところが福岡シティ銀行にしろ佐賀銀行にしろ、もともとVCのノウハウは持ち合わせてない。そこでジャフコと共同出資でキャピタル会社を設立し、投資ノウハウはジャフコが、情報収集は地場キャピタル会社が行っているのが現状だ。つまり先に述べた九州キャピタルや佐銀キャピタルはジャフコとの共同出資である。こうなると結果は明らかで、ジャフコが投資しないところに九州キャピタルや佐銀キャピタルなどの地場VCが単独で投資するということはほとんどない。もちろん小型投資はこの限りではないだろうが、少なくとも1億円以上の大型投資の場合は、地場VCが単独で投資するということはありえない。
名馬も伯楽なくしては駄馬と同じ
VB育成に必要なのは技術の目利き
では、ジャフコが投資の対象としているハイテク系ベンチャーの場合はどうか。これに関しても前出のベンチャー経営者は次のように怒りを込めて言う。
「例えば通信分野とかコンピューターソフトなどハイテク産業と言われる分野の中でも、技術とか内容を十二分に把握して投資しているわけではない。皆で渡れば怖くないで、よそが投資しているからうちもするとか、『おたくは通信ですかコンピューターソフトですか。よそはどこも来てないんですか。じゃあ、うちに投資させてください』というそんな程度ですよ。本当に新しい技術を評価して、それならこういうビジネスチャンスがあるだろうということで投資している例など聞いたことがない」
技術の目利きがいないーー。実はこのことがベンチャー企業を育成する上で大きな課題になっている。「名馬も伯楽なくしては駄馬と同じ」で、せっかく創造的な技術を開発しても、そのことを認め、将来有望だと判断する伯楽がいなければ、ベンチャーもただの中小企業になってしまう。
本来、VCは伯楽であるべきだが、現実は逆で、彼らの中に技術を評価できる人間がいない。技術を評価できないから技術以外の所、いわゆる他人の評価や人気度、担保能力といった類いを評価基準にせざるをえないのである。
例えば2年前、ソフト開発の某ベンチャー企業はVCから「投資したいが、その前に中小創造法の認定を受けてくれ」と言われた。そこには中小創造法の認定企業=技術力が高いと認められたベンチャー=成長企業という図式が働いているのであり、国や県の認定という「お墨付き」があればトップを説得しやすいからだ。組織人間の自己保身がなせる悲しい業である。
相乗り投資も同じ構造である。自分だけババを引きたくないということであり、乗り遅れたくないという不安心理が成せる業だ。いずれにしても主体性はない。いわんやベンチャーを育てようという高邁な精神などはかけらすらない。
VCが興味を持つのは決算書だけ
技術の中身より数字ではVBは育たない
結局、技術が評価できなくてもハイテクベンチャーに投資できるのは起業・創業段階のベンチャーではなく、成長し、株の公開を目前にしたベンチャーに投資するからである。
もちろん、なんとかベンチャーを育てたいと考えているVCがないわけではない。ところが、そうした想いとは別に今後ますます金融系・証券系VCはアーリーステージのベンチャーに投資しにくくなる。今年度から連結決算が導入されたからである。個別企業の単独決算から企業集団の連結決算が導入されたことで、子会社のチェックも厳しくなり、VCといえども回収不能になりそうな所への投融資はやりにくくなる。
ベンチャーへの投融資がすべて回収不能になるわけではないが、福岡県の花形ベンチャー・アニマ電子の倒産に見られるように、優良と思われたベンチャーでも倒産した。いわんや、それ以外のベンチャーはさらにリスキーという判断になるのだろう。
しかも、親会社の銀行はというと相変わらずの貸し渋りである。そうなると担保なし、過去の実績なし、赤字続きのベンチャーに資金が流れてこようはずがない。
前出のベンチャー経営者は怒りが収まらないという口調で次のように言う。
「VCが来て最初に何を言うか知っていますか。皆が皆、まず『決算書を下さい』ですよ。少なくとも投資しようという気持ちで来ているはずですよね。それなのに決算書にしか興味がない。技術の話など聞こうともしない」
これでは「ローテクには投資しない」云々以前の問題だ。ベンチャー企業に対して、彼らがこうした姿勢で接する限り、ベンチャーが育たないのは当たり前だろう。
直接金融で資金調達するベンチャー
エンジェル税制の拡充で後押しも
さて、VCも金融機関も当てにできないとなれば、ベンチャーはどこから資金を集めればいいのか。前出の経営者は「友人・知人、それにライセンス契約先に社債を買ってもらい1億5,000万円集めた」と言う。いわゆる直接金融である。
最近は金融機関やVCが頼みにならないからか、それとも投融資の決定までに時間がかかりすぎるからか、氏のように友人・知人に出資してもらうなどの直接金融で資金調達するパターンが増えつつある。例えば「ふく鮨本舗の三太郎」ブランドで福岡県内に宅配すし店をチェーン展開しているドゥイットナウの蔀社長は、平成11年9月にやはり友人・知人を中心に第三者割当増資を行い、わずか1週間で1億2,000万円の資金調達を行っている。
国も「創業期にある創造的事業活動を行う中小企業の資金需要は非常に大きく、ベンチャーキャピタルなどによる株式投資の促進に加えて、豊富な個人投資家(エンジェル)の資金を活用することが必要」と、直接金融による資金の活用を勧めている。しかも個人投資家がベンチャーに投資しやすくするため、97年度の税制改正でエンジェル税制を創設し、税制優遇措置を設けている。
主な内容は、ベンチャー企業への投資で損失が生じた場合、その年の株式の売却益から控除してもなお控除しきれない場合は、翌年以降3年間の繰り越し控除を認めるというもの。
ただし、他の銘柄の株式譲渡益からしか損失を差し引けなかったり、投資対象は創業から5年以内のベンチャーに限るなど基準が厳しく、いままで十分活用されてこなかった。例えば前出のベンチャー経営者は1億5,000万円をエンジェルから集めはしたが、社歴10年の会社であるため、同社に投資した個人投資家達はエンジェル税制の適用外ということになる。
ところが今回の改正では、投資対象を創業5年以内のベンチャーから創業10年以内に拡充するとともに、株式投資で損失が生じた場合に通常の給与所得などから損失分を差し引いて所得税を計算する損益通算が導入され、個人投資家にとってベンチャーに投資しやすい環境はかなり整備されてきたといえる。
ベンチャー支援で必要なのは
タイムリーさとスピードだ
ドゥイットナウの蔀氏にしろ前出のベンチャー経営者にしろ、独力でエンジェルを集め1億数千万円の資金調達をしたが、ベンチャーなら誰でもこういう方法で資金を調達できるかといえば、そううまくはいかないだろう。蔀氏自身が語っているようにエンジェルになった人達は「皆昔から結構知っている人」であり、「人間そんなにすぐには信用されません。やはり過去にその人が何をやってきて、どういう成果を出しているか。それを見て決めると思うんです」。
前出の経営者も最初から友人・知人等から資金調達したわけではなく、大手VCから投資を、さらには未公開株式市場から個人投資家を募るなどの努力をしたが、結局、「待たされるだけ待たされて」最終的には断られたり、個人投資家が集まらなかったりで、「最後にはサラ金からつなぎ資金を借りるよう紹介」までされたと言う。その時、もし、借りていたらいま問題になっている商工ローン被害者のようになっていたかもしれないと氏は振り返る。まさに万策尽くした上でのエンジェル資金だったわけだ。
日本には大手のVCは金融系か証券系しかなく、それ以外の独立系VCがほとんど存在しないなど、全般的にVCの数が少ないのが大きな問題である。そのこととも関連するが、もう一つの問題は結論を出すまでに非常に時間がかかりすぎることであある。ベンチャーに余裕があるところはまずない。極端なことをいえば、その金がなければ明日倒産するかもしれないのだ。そんな時に時間をかけて2カ月も3カ月も審査されていたのでは飢え死にしてしまう。それどころか前出の経営者のように「散々待たされた挙げ句に断られ」でもしようものなら、その間に打てる手も打てなくなり、死んでも死に切れなくなる。
ベンチャーにも創業期から成長期までいろいろ段階があり、一口に資金が必要といっても数百万から数億円まで額に開きがある。しかし、創業期のベンチャーならせいぜい数百万円だろう。必要なのはスピードだ。このスピードという意味で既存のVCや現在の支援制度は対応できてない。
必要なものを、必要な時に、必要なだけ提供する。必要量以上に与えると、かえって根腐れして枯れてしまう。
弱いのは販路開拓面のサポート
市場をどう創出していくかが課題
ベンチャー企業の悩みは大別すると次の3つである。
1.資金不足
2.販路開拓
3.人材不足
このうち資金不足の問題については、すでに見たようにまだまだ不十分ではあるが、国が早い段階から力を入れて整備してきたこともあり、現在ではかなり充実しているといっていいだろう。また外資系VCや金融機関なども規制緩和で日本への進出を狙っている。今後は国際市場からの資金調達も視野に入れるべきだろう。
問題は2の販路開拓である。製造業や技術系企業が最も苦手とする(考えていない)ところだ。ところが、この分野の支援策はほとんど整備されてない。理由は簡単だ。資金不足ならお金を用意すればいいし、技術開発が問題なら大学等の研究機関との共同研究や技術コーディネーターを増やしたりすればいい(正確に言えばそれでは解決しないし、それしかしてないところに実は問題があるのだが、それは別項にする)。
しかし、販路開拓はAとBをつなげばいいという単純なものではない。市場が見えなければ商品を流通させることもできないし、市場のニーズがどこにあるのかを知らなければならない。場合によっては市場の予測も必要になる。以前ならこうした仕事は商社の役目だった。ところが、バブル崩壊後、商社はリストラに次ぐリストラで、もはや社内に余力は残っていない。
しかもマーケット自体が非常に見えにくい。家庭を見回しても必要な商品はほとんど揃っている。いわゆるモノ余り時代である。そうなると人は必要性だけでは買わない。プラスアルファというか、必要性(ニーズ)以外の動機、つまりかわいいからとか、かっこいいからとか、面白いという動機(ウォンツ)でモノを買うようになっている。
例えば今年ヒットした商品にパソコン、デジカメ、インスタントカメラ、ロボット犬がある。ではパソコンならどんな機種でも売れたのかというとそうではない。売れ筋パソコンはソニーのバイオシリーズにアップルのi−mac、10万円前後の低価格パソコン。
ソニーのバイオ・10万円パソコン
ロボット犬・デジカメはなぜ売れたのか
バイオシリーズが評価されたのはデザイン性である。従来、無機質でどこか機械的な感じがしたパソコンを、ソニーは色使いをカラフルにし、CCDカメラを内蔵するなど遊び心溢れたものに変身させた。価格は決して安いわけではなく、むしろ高い部類に入るにも関わらず若い女性を中心に支持され大ヒット商品になった。アップルのi−macも同じで、丸みを帯びたデザインのかわいらしさが支持されバカ売れしている。両者に共通しているのはインテリア性に優れ、遊び心を満足させてくれることに加え、機能の割には価格が安いという「値頃感」があるという点だ。
一方、安さで売れたのが10万円パソコン前後のパソコン。市場をリードしたのはソーテックだが、安いだけのパソコンなら過去にも何度か売られたことがある。だが、それらのほとんどは流通するところまでいかず、いつの間にか市場から姿を消している。それではなぜ、今回は10万円パソコンが市場を形成できたのか。それはソーテックの製品をみればよく分かるが、「この機能でこの価格は安い」という値頃感である。つまり安かろう(悪かろう)ではなく、「良かろう安かろう」だからである。
高くても飛ぶように売れたのが、ソニーが開発したロボット犬「アイボ」だった。これなどニーズという意味では市場はまったく存在しない。だが、人々に夢を与え、欲しい(ウォンツ)と思わせたのである。デジカメはカメラという市場ではなくパソコン関連商品という市場で売れているし、インスタントカメラはデジカメのようにその場で見たいというウォンツを満足させ、さらにコンパクトで持ち運びしやすい(かわいい)という従来品との差別化の中で売れたのである。
結局、まったく新しいものが市場を形成したものもあるし、成熟商品でもマーケットを作り出したものもある。
必要なのはマーケットからの
開発アプローチとそれができる人間
つまり販路開拓という時、重要になるのは市場をどう読むか、市場をどう創出するのかということである。一言でいえばマーケティングをどうするのかということになるのだが、それはただ単に商品と市場を結ぶということではないだろう。場合によっては開発された商品をバラバラにして、もう一度組み立て直すという作業も必要になるだろうし、ある技術にほかの技術をプラスする(組み合わせる)ことによって、違う商品を作り出すということも必要だろう。
結局、重要なのは技術の評価もさることながら、マーケットの側からの検証(アプローチ)である。市場にその商品が受け入れられるか、そうでないのか。あるいは、受け入れられるためには何をどう改良すればいいのか、ということを考えなければならない。
国は数年前からコーディネーターを養成し、ベンチャーを支援しようとしているが、せいぜい可能なのは技術コーディネーターの養成ぐらいである。しかも多くの場合、長年、研究機関にいた技術者や一線を退いた技術者がコーディネーターとして任命されている。彼らは技術のデータベース的存在で、経験に照らしてアドバイスすることができるし、豊富な知識が多いに役立つことも多いだろう。だが、えてして経験が邪魔をすることがある。
例えばデータベースは検索には便利だが、どんなに膨大なデータベースがあっても、そこから何かが創造されることはない。創造は破壊の中から産まれるものである。既存の商品を、価値を、体系を破壊しなければ新しいものは産まれない。象牙の塔に閉じこもったり、社会とは半分無縁な生活を送っている研究者に既存のものを破壊する力はないだろう。[今、本当に必要なのはマーケットの側からの開発アプローチであり、そういう働きかけができる人間である。]([]で囲んだ部分はゴチックに)
いや、ベンチャープラザや、福岡県が創ったフクオカベンチャーマーケットこそ、それを目指したものだというかもしれない。だが、ベンチャープラザへの出展ベンチャーは通産局が声をかけてかき集めた甘えたベンチャーばかりだし、フクオカベンチャーマーケット協会の構成メンバーには大物を揃えてはいるが、金融・証券系が中心。いずれにしろマーケットの側からの開発アプローチができる人間はせいぜい三井物産九州支社の星崎治男取締役九州支社長ぐらいなものだろう。
結局、第3次か4次か知らないが今回のベンチャーブームが創り出したものは、過保護政策の下で産まれたひ弱で甘えたベンチャーと、皆で渡れば怖くない式の、相も変わらない横並び意識だけかもしれない。
('99.12月 データマックス刊「IB」冬季特集号に掲載)
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