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マイクロソフトを脅かすグーグルの「日本語入力」


 グーグルの快進撃が止まらない。
ついに「日本語入力」ソフトまで開発した。
早速使ってみたが、スゴイ。
まだベーター版とはいえ十分使える。
この原稿もグーグルの「日本語入力」を使って書いている。

 パソコンがスタンドアローンの時代からネットワークに変わり、いまクラウドコンピューターの時代に変ろうとしている。
かつて「パソコン、ソフトがなければただの箱」と言われたが、いまやパソコンはただの端末機器に変りつつある。
パソコンの中に多くのソフトを入れ込まなくても、インターネットに接続しさえすれば仕事ができる時代になりつつあるのだ。
そう、パソコンの中は空っぽの箱でよくなってきた。
必要なソフトはインターネット上にあるものを使う。
必要なのはインターネットに接続できる環境だけ、という時代に。

 こういう時代をリードしている一つがグーグルだ。
いまでは検索ソフトからメール(Gmail)、写真管理ソフト(Picasa)、インターネット閲覧ソフト(Google chrome)、オフィスソフトまでグーグルのお世話にならないものはない。
 グーグルが提供しているものには共通点がある。インターネット上で使えるもので、パソコンのシステムに負担をあまり与えない軽ソフトという共通点が。
ブラウザーのグーグルクロームなどは1世代前の非力なパソコンでも問題なく動く。なによりグーグル提供のソフトはすべて無料で使えるのがいい。

 そのグーグルが今回出したソフト2つはマイクロソフトに真正面から勝負を挑むものだけに注目される。
 1つはグーグルのWebブラウザ「Google chrome」の利用に特化した「Google Chrome OS」で、もう1つがIMEと呼ばれる日本語入力ソフト。
「Google Chrome OS」がお目見えするのは来年後半になりそうだが、「日本語入力」の方は12月3日にベーター版という形で公開されたばかりだ。

 そこで早速、グーグルの「日本語入力」を使い、この原稿を書いているが、文字変換が実にスムーズで使いやすい。
 以前にも書いたが、日本語入力ソフトは過去(MS-DOS時代)素晴らしいソフトが数多く存在した。ところが、現在残っているのはマイクロソフトのIMEとジャストシステムの「ATOK」が2大ソフト。
 日本語変換に関しては「ATOK」に1日の長があり、マイクロソフトのIMEは足元にも及ばない(ちょっと誇張しすぎか。でも「ATOK」の方がはるかに使いやすい)。
特に物を書くことを生業にしているか、物を書くことが多い人にとっては思考を中断させない変換効率が求められるので、「ATOK」を使っている人が断然多い。

 そこにグーグルが参入してきた。しかも無料で使えるという。
正直なところ、あまり期待せずにダウンロードし、使ってみた。
結果は驚くほどで、ただ1点の問題を除けばこれほど使いやすく、変換効率の良いソフトはない。
1点の問題とは何か。
句読点入力で変換できないことだ。
私の場合、文字入力をしていき句読点を打つと、それまでの文字が漢字変換できるような設定にして使っているが、グーグルの「日本語入力」ではこれができないのだ。そのため文末や文章の区切りでは二度変換キーを押さなければならない。
注文を付けるとすればこれだけで、逆に言えばこれしか問題点はない(いまのところ)。そこでいまでは所有しているパソコンのすべてにグーグルの「日本語入力」を入れて使っている。

 このソフトのお勧めは中古パソコンを買った人、オフィスやワード、エクセルなどマイクロソフト製ソフトを使わない人、マイクロソフトのIMEに不満を持っている人、企業ユーザーなどだろう。Mac OSにも対応している。
 マイクロソフトのIMEにとって強敵になるのは間違いない。

 ダウンロードはグーグルの下記サイトから。
 http://www.google.com/intl/ja/ime/



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