WiFiタブレットを使い倒す(3)
ネット非接続でもPCとの同期


ネット非接続でもPCとの同期

 本稿はタブレットとPCの両方で書いているが、こういう場合に問題になるのが文書データの同期を図れるかどうか。
 タブレットの弱点は端末内部の記録容量(ストレージ)が少ないこと。モバイルPCなら容量300〜500GBのハードディスク(HDD)を内蔵しているが、タブレットだとストレージが16GBか32GBというところだ。
 外付けのmicroSDカードにデータを保存できるようになっているものも多いが、それでも32GB。多くても64GB。大容量SDカードがまだないということもあるが、PCに比べると記録容量は圧倒的に少ない。

 もともとタブレットは単体(スタンドアローン)ではなく、ネット接続下で使うことを前提に作られているから、それでいいのかも知れないが困ることもある。特にWiFiタブレットはネットに接続できなければ「ただの板」にほかならない。
 とはいえ、日常使いで困ることはなかった。私の場合は持ち歩いて使うことがなかったからである。
 ところが、2月下旬に母がグループホームから病院に移って以降、毎午後、病室に行き母の側で過ごすのが日課になった。そうなると空き時間(母が眠っている時間)を考えタブレットを病室に持ち込むようになった。以前ならモバイルPCなのだが、母が眠っている時間といっても、眠ることもあるし、ずっと起きたままのこともあり、目を覚ました時に即座に対応できるという面でもタブレットの方がよかった。すでに医師からは「もうできることはありません。後は看取りだけです」と言われていたので、容態が急変した時、PCを開いているとモタモタしてしまうが、タブレットなら放り投げるだけでよかったということもある。

 しかし、ネット非接続環境でタブレットを使おうとした突端、データを保存して持ち歩けないというタブレットの弱点が大きく立ちはだかった。
 いままではデータをDropboxやOneDriveといったクラウド上に置き、PCやタブレットでアクセスしていたから、WindowsとAndroidでも問題なくデータの同期が図れていた。
 だが、LAN環境がなくなるとWiFiタブレットは使えない。もちろんコンビニに行けば無料WiFiが使えるが、そこで原稿を書くわけにはいかない。またスマホでネット接続して、テザリングでタブレットを使うという方法もあるが、そんなことでSIMのデータ容量をムダにはしたくなかった。

 結局、ネットに接続していなければタブレットは「ただの板」である。スタンドアローンでは使えない。一度はそう諦めたが、その後、調べているうちにネット接続環境になくてもやりかけの仕事を継続できることが分かった。

 その方法とはこうだ。私の場合は文章を書くのにWindowsでは「秀丸(ひでまる)」、Androidでは「Jota Text Editor」というエディターを使っている。これらを使ってクラウド上にある文書を引き続き作成・編集・保存できればいい。
 試したところクラウド上の文書が読み込めったものとそうでないものがあり、すべてのデータが読み込めるわけではないことが分かった。
 その差は一度データをタブレットで読み込んでいるかどうかで別れた。要は一度読み込んだデータはクラウド上だけでなく本体にも保存されるから、それを読み込んでいるわけだ。

 次に読み込み編集もできたが、保存できないことが分かった。
これでは結局使えない。





 さらに色々試していると、DropboxにもOneDriveにもオフラインで使えるようにする設定があることが分かった。
 例えばDropboxの場合、Dropboxを開く→ファイル一覧が表示→編集したいファイルの右端にあるマークをタップする。
 するとファイル名が表示され、その下に「このアプリで開く」「名前を変更」「コピー」などが縦に表示される。一部下の方に隠れて見えないものもあるが、その場合は上にスライドしてすべてを表示させると、下から2番目の所に「オフラインアクセス可」というのが見える。
 表示された時はグレー(オフ)になっているが、そこをタップしてオンにする。これでオフラインでも編集・保存ができるようになる。
 OneDriveも同じように行えばOK。言葉が「オフラインを維持」に替わるだけで、ここをタップしてオンにするだけだ。
 以来、PCで文書を書く場合、常に作成中のファイルを「オフラインアクセス可」にしている。
 かくして、いとも簡単にデータの同期が図れるようになり、タブレットの出番が増えてきた。




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