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請求書・明細書の内容は細かくチェックしよう。


 クレジットカードの会員情報が漏洩し、米国等で不正使用された被害額が国内だけで1億2000万円近くになるという。
最初はマスターカードの情報漏洩が発表されたが、その後の調査でビザの方がはるかに被害額が大きいことが分かった。
 それにしても国内で発行されている大半のカードは国際性を持たせるためにビザかマスターカードと提携しているので、ほとんどのカードが被害に遭う可能性があるということだ。さらに、ビザ、マスターと提携していないJCBやダイナーズカードまで情報漏洩の可能性があるというから、カードを持っている人はすべて被害に遭いうるということだ。

 カードは怖いから持たない、と言う人もいるが、よく聞くとそういう人は使い過ぎるのが怖いということのようだ。こういう人は金銭管理を現金のみでしていて、カードでの買い物は別勘定にしているからだと思う。
 私はカード派で、むしろ現金を持ち歩かない。だから毎月送られてくるカードの明細はいつも見てチェックしている。外国で買い物をした後は特に念入りにチェックするようにしている。
 それでも中には見覚えがない名前が明細書に書いてあることがある。そんな時はすぐカード会社に電話をして調べてもらうようにしている。といっても具体的な商品名が分かるわけではないが、それでも買い物をした場所とか通販かどうかなどが分かれば、それで思い出すことがよくある。
 明細書の中に見覚えのない名前を見つけるたびに「もしや不正使用?」と疑うが、大抵は通販で買った商品だったり、失念していた商品だったりする。
まあ、幸いにしていままで被害に遭わずにきた。

 ところが、先日のことである。某新聞社系の雑誌社○○BP社から請求書と振り込み用紙が届いた。振り込み用紙には私の住所、氏名、読者番号が印刷され、環境系の某誌1年分の振り込み用紙と、同3年分の振り込み用紙が同封されていた。
1年分購読か3年分購読かを選び、お好きな方を振り込んでくれというわけだ。

 この雑誌は以前、環境フェアに出席した後に注文もしないのに突然送られてきたもので、その時には数カ月サービスだと書いてあった。サービス購読期間が切れた時に、継続か停止かのハガキが同封されていたので停止のハガキを出しておいた。
それなのに振り込み用紙を送り付けてきたから、詐欺商法のようなやり方に腹立ちを覚え、早速電話をして断っている旨を厳しく告げた。

 後日、その振り込み用紙をよく見ると、小さな文字で「この用紙は請求書ではありません。ご購読をされる際にご使用いただくためにお送りしたものです」と書かれていた。

 実に巧妙なやり方である。
私の場合はカードの明細書も毎回細かくチェックしているから、この時も申し込みをした覚えがないと気付いたが、振り込み用紙だと思うとそのまま経理に回す中小企業の経営者は多いはずだ。実際いくつも雑誌を購読していれば、どれがどうだったか一々覚えていないだろう。
郵便物の宛先も会社名で「代表 御中」になっていたから、これならもしかすると経理の人間が開封し、社長が購読しているのだろうと判断して、そのまま振り込むかもしれない。

 「おれおれ詐欺(振り込め詐欺)」事件をニュースで見るたびに、あんな簡単な手口に騙されて振り込む人間がいるんだと呆れていたが、あながち笑えないと今回思い知らされた。
常日頃から請求書・明細書の内容は自分できちんとチェックする習慣を付けておくことが大事だろう。

05.6.28


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