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三菱自動車が消える日(2)
ユーザー視点がない三菱自動車


ユーザー視点がない三菱自

 それにしても三菱は品が悪い。とても旧財閥系とは思えない。ぽっと出の企業が資金もなく、リコールコストを捻出できなくて隠蔽を行ったというのなら(許されないことだが)まだ分からないわけでもない。それなのに旧財閥系企業ともあろうものが、いや旧財閥系だからこその殿様商売が招いた必然の結果と言えるのかも知れない。
 そもそも三菱にはユーザー視点というものがなかったのではないか。顧客は三菱グループで、一般ユーザーは顧客ではなかった、顧客とは考えられていなかったようだ。そう考えると三菱のリコール隠しはある意味理解できる。同社に同情しているわけではない。リコール隠しに至った背景が理解できると言っているだけだ。
 例えば自動車メーカーでは「他社の車に乗っていると門の中に入れない」という言葉を出入り業者からよく耳にする。好意的に解釈すれば、これは愛社精神の表れと見ることができる。だが、行き過ぎると圧力だ。うちの車を買わなければ出入りさせないという。三菱は他社に比べて、それが強すぎるとはよく耳にした。
 自社の車に乗って戴いて感謝というのと、乗るのが当たり前、乗らなければ出入り禁止とでは随分違う。
 結局、三菱は自社グループと出入り業者という狭い商圏で商売をしてきたわけだ。それでもグループ全社員とその関係者まで含まれればそこそこの数にはなるだろう。しかし、今後この基礎数字が読めなくなった場合、どうなるか。

 ご存知のようにグループの中心企業、三菱重工は受注した大型豪華客船建造で重なる設計変更や不具合への対応、さらに数度に渡る火災等で納期の延長、違約金の支払い等で2016年1〜3月期に特別損失508億5000万円を計上。14年3月期からの累計では客船事業だけで2375億7100万円の特別損失を出している。自分の身さえ危ない時にとても三菱自動車を支える余裕はないはず。
                                               (3)に続く



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