環境異変、犯罪異常の背景に磁場の反転現象(2)
〜太陽だけでなく地球でも磁場の反転が


 太陽では11年ごとに北極と南極の磁場が入れ替わる、極の反転が起きていることは天文学者の間ではよく知られた事実だが、この反転現象に異変が起きている。過去のデータからすれば2012年か2013年に磁場の反転が起きているはずだった。この時、太陽活動はピークになり、磁場の強さを表す黒点の数は増え、150〜200が観測されるのが一般的である。だが、2013年に観測された黒点の数は50〜100と少なく、ここ200年間で最も少ない数だと言われている。
 それだけではない。いつもなら起きるはずの磁場の反転が観測されてないのだ。さらに奇妙な現象が起きていた。

 2006年9月に打ち上げられた日本の太陽観測衛星「ひので」が集めたデータによると、太陽の北極はすでに2012年から磁場がS極(マイナス磁場)からN極(プラス磁場)に替わっているが、南極は依然としてN極のままの状態が続いている。つまり太陽の両極がN極(プラス磁場)になるという奇妙な現象が起きているのだ。
 ではS極(マイナス磁場)はどうなったのか。消えてしまったのだろうか。しかし、それはありえない。S極はどこかに存在するしなければならない。なんと太陽の中央部分、赤道近辺にS極が現れるという4極化現象が観測されている。もちろん、こうした現象は観測史上初めてである。


 写真:東京天文台発表の資料から

 問題は太陽の磁場異変が地球上の生物に与える影響である。気候変動に太陽活動が関係していることはすでに明らかにされているが、生物、特に人体にどのような影響が出るのかはまだ不明だ。それが明らかになるのはかなり先のことと思われるが、磁場異変の影響を受けたのではないかと思える現象はいくつか観測されている。
 渡り鳥は体内にGPSのようなものがあり、方向を感知して飛んでいると言われているが、その渡り鳥の大量死が2011年以降多く確認されている。原因は特定されていないものの磁場の乱れで方向感覚が失われたのではないかとする見方が大勢を占めている。
 イルカやクジラの大量死にも同じことが言えそうだ。いずれにしても数10匹、数10羽単位ではなく大量に、まるで自殺でもするように海岸で死んでいるのは方向感覚が失われたとしか言いようがない。
 ここで次のことを思い出してもらいたい。携帯電話の電磁波が脳に影響を与えているという警告である(2011年、WHOは携帯電話から出るマイクロ波による発ガン性を認定)。
 携帯電話から出る電磁波でさえ脳(特に小児の)に影響を与えるのだから地球規模で降り注ぐ太陽の磁場が人の脳になんらの影響も与えないとは考えにくい。ついでに補足しておくと、鳥や魚の大量死は2011年以降に多く観測されている。太陽の磁場が反転し始めた時、つまり磁場の乱れが起き始めた頃からである。

地球の磁場も逆転

 磁場の逆転は太陽に限ったことではない。実は我々が住んでいる地球でも磁場の逆転が起きている。ただ、そのサイクルは太陽よりはるかに長く、数10万年ごとで、過去360万年の間に11回起こったことが分かっている。平均すれば100万年に1.5回の割合で起きていることになる。
 こう言えば、そんな気が遠くなるような長いサイクルで磁場逆転が起きても、少なくとも我々が生きている間には関係ないことだと笑うかもしれない。だが、100万年に1.5回というのはあくまで平均すればということであり、地磁気の逆転サイクルは太陽の磁場逆転のように規則的ではなく不規則なだけに厄介というか予測不可能だ。最後の磁場逆転が起きたのが78万年前。そして過去150年かそれ以上の間地球の磁場は徐々に弱まってきている。つまりいつ逆転してもおかしくない状態になっているといえる。
 もしかすると太陽の磁場異変より、地磁気の異変の方がより人間に影響があるかもしれない。放射能にしても強力な放射線を直接浴びれば即座に影響が出るが、そこまで強力でない放射線でも浴び続ければ悪影響が出ることはよく知られている。身近な例で言えばレントゲン撮影だ。レントゲン撮影で病気を発見する効果とレントゲン撮影で放射線を浴びるリスクとどちらが大きいかということは医療関係者の間でも問題にされている。

 いずれにしろ磁場の逆転現象が起きる過程で人が何らかの影響を受けている可能性は否定できない。例えば脳の想像力や思考を司る部分が未発達とか、一部が萎縮ないしは傷ついているとか。
 昨今の犯罪の異常性について磁場異変の影響から論じられたものはまだない(私が知らないだけかも分からない)が、磁場が人間の脳に与える影響はもう少し研究されてもいいのではないか。少なくとも犯罪学との関係で。


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