純金のように輝く人や会社にしたい
ーー「ぶどうの樹」「野の葡萄」という店名の店を展開されていますが、社名は「潟Oラノ24K」とちょっと変わっていますね。社名の由来を教えてください。
小役丸 「グラノ」というのはスペイン語で「ぶどうの実」という意味です。「24K」は純金のことで、純金のように輝きたい。人も、店も、会社も。そうなりたいという意味を込めて付けました。
ーー「ぶどうの樹」は文字通りぶどうの樹の下で食事ができるスタイルですが、こういう方式を導入されたきっかけは何ですか。
小役丸 もともと父がぶどう畑の横に旅館やレストランを併設する観光農園を夢見て始めた事業だったんですが、1年間ぶどうの栽培をしても収穫時期はせいぜい20日間ぐらいなんですね。それで、収穫したぶどうの実を売るということだけでなく、環境も一緒に売れないか、と考えたんです。だけど環境だけで入場料を取るわけにはいきませんので、食事も合わせてアウトドアを疑似体験的に楽しめる施設ができないかと考え、炭火を入れるアメリカ製の機械を買ったりして本格的なバーベキュースタイルを導入したんです。
ーーバーベキューにされた理由は?
小役丸 半年だけの営業ですからアルバイトでできるようにしようと考えました。肉や野菜をカットして出せば、最終調理はお客さんにしてもらえるわけですから。
半年ぐらいハワイに勉強に行きましたが、そこで見たのは牛の育て方の違いですね。日本の牛はヨタヨタしているけど、向こうの牛は広い牧場で草を噛んで育っているから、歩き方でもしっかりしています。肉も堅い。それをとろ火で焼くと本当においしい。それまでは和牛がいいという先入観に捕らわれていましたが、逆ではないかと思いました。ですから、うちではオーストラリアの肉、アメリカの肉、国産牛肉をそれぞれきちんと産地表示して出しています。
地元の農家と提携し、農家民泊もやりたい
小役丸 日本にはマスコミなどを通じて一方通行の情報しか入ってこないものが多く、現地に行ってみないと分からないものが多いですね。いまグリーンツーリズムが言われていますが、自分の目で見てみないと分からんと思ってドイツまで見に行きました。そして農家民泊をし牧場も見させてもらうと、いままで聞いていたグリーンツーリズムと違うわけです。やはり実体験的に理解しないとですね。
それでいま日本型の部分を面白くしたグリーンツーリズムを考えています。うちも旅館はやっているんですが、できれば地元の農家の方々と話し合いながら、農家民泊みたいなものが少し手がけられないかなと思っています。それは農家の可処分所得が増えるということもありますが、農家といえども核家族化が進み、広い納屋が座敷があるのに全然使われてない。そこに月10万円から15万円収入が増えるというのは農家にとって大きいことなので、そんなことでも貢献できればなと思っています。
ーーそれは面白いですね。
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