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大型店に流れる消費者を、地元小店舗に呼び戻すには(3)
〜消えた消費者への対応〜


消えた消費者はどこに

 消えたのは商店や小型スーパーだけではない。流通業界から見れば、消費者そのものが消えている。近い将来、そう10年か20年後には、車で郊外店舗に買い物に行く消費者は珍しくなるに違いない。もうアメリカ型の店舗は参考にならない。いつまでもアメリカの真似をする時代ではないだろう。日本の実状にあった流通業に戻るべきだ。
 とはいえ、水は低きに流れるように、人が利便性のいい方に流れるのは止められないから、昔のような商店街や小店舗の復活は望めないだろう。元はといえば、地元商店街より郊外の大型店を支持したのはほかならぬ消費者であり、それを許したのは消費者のニーズに対応しようとはしなかった商店街や小店舗自身なのだから。
 そしていままた、消えた消費者に対応しようとしているのは地元商店街や小店舗ではなく、全国ネットの大手や中堅スーパーだ。

 かつて日本の商人は客が来るのを店舗でじっと待つだけではなく、「御用聞き」に回っていた。これは便利なシステムで、買い物に出かけなくても注文できるから時間の節約になる。しかも、配達までしてもらえるから高齢者や女性など非力な人の強い味方でもある。
 ここに商機がある。消えた消費者というのは、消えたように見える消費者のことであり、大手流通業者の目には見えない小さな消費者のことだ。しかし、今後はそうした消費者が増えていくのは間違いないだろう。
 本来、地元の小店舗ほど「御用聞き」に徹するべきだが、知恵が回ったのは全国ネットの大手・中堅スーパーの方で、彼らは「御用聞き」方式を現代的な方法で蘇らせた。インターネットで注文を受け、配達するネットスーパーである。
 ただ、この方法にも弱点はある。パソコン等インターネットに接続できる環境にあり、それらの機器を操作できることが前提になっているからだ。高齢者の多くはこの対象から外れることになる。買い物弱者の救済という意味からは程遠いが、都市部の住民にとっては便利だろう。

 ネットスーパーは福岡でも今春頃から各社が参入している。地場中堅スーパーでは西鉄ストア(福岡市)が2013年5月28日から「今・時のご用聞き隊」と名打った買い物代行サービスを開始した。参入はお世辞にも早いとはいえない。
 ただ、同業他社のほとんどがパソコンやスマートホンなどインターネットに接続できる環境から注文するシステムを採用しているのに対し、同社は電話やFAXからも注文できるようにしているのが特徴。高齢者に少しは配慮したサービスを心がけているようだ。とはいえ、ネットに接続できる環境になくても電話やFAXさえあれば注文できるわけではなさそうだ。
 余談だが、私が住んでいるマンションも高齢化が進み現役世代が激減し、買い物にも不自由する姿を見かけることが多くなった。その内の一人に「買い物はどうされていますか」と声をかけると「西鉄ストアに注文して配達してもらっているんですよ」という返事。腰が曲がったお年寄りでとてもインターネットなどしているとは思えなかったが、娘さんと同居しているので、恐らく娘さんがネットで注文しているか、娘さんがネットで選び、お年寄りが電話で注文しているのだろう。スーパーまで200m程の距離だが、高齢になるとこの距離を荷物を持って移動するのが苦痛になる。もう少し高齢者にもやさしいシステムにすれば「消えた消費者」の姿がもっと見えるようになると思うが。同社のサービス、仕組みについてはいずれ取材する機会があれば稿を改めて紹介したいが、狙いはいいところを突いていると感じた。
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 読者の方から郊外大型店が廃墟になっている情報を頂きました。
すでにこうした実例が起きていたことまでは知らなかったのですが、現実は急激に動いているようです。
下記URLに廃墟になった大型商業施設の写真が何枚か掲載されています。
 http://www.watch2chan.com/archives/32836817.html
 情報を送ってくださった久留米市の古賀哲哉さん、ありがとうございました。

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